我が国最大級に怪しい街として知られる上野・アメ横周辺。何度来ても「日本って……アジアなんだな」と痛感する場所だ。コロナ禍で以前より人の往来は減ったが、様々な国の料理や食材を扱う店が今日もシャカリキに営業中である。

そんなカオスなアメ横商店街の片隅で……ピータンや鶏の足に混ざって……やたらとインスタ映えしそうな商品が雑に置かれているのを発見した。このロゴは……あの超人気・オシャレ・タピオカ店として知られる『THE ALLEY(ジ アレイ)』じゃあないか!!!

THE ALLEYは “生タピオカミルクティー” を扱う店のハズだが、一体いかなる理由で中華系乾物屋の店先に置かれているというのか!?

・中国におけるTHE ALLEY

多くの日本人にとってTHE ALLEYは原宿や恵比寿といったシャレた場所で飲むものであり、「やや高級感のあるティースタンド」な印象だと思う。

ちなみにTHE ALLEYは台湾の企業なのだが、中国にメチャクチャ店舗が多いことで知られる。

私が中国を訪れた際に体験したTHE ALLEYは「路地裏で私服のオバチャンがダルそうに店番をしている庶民的な店」であり、日本とは全然違う印象だった。

今回アメ横で見つけた商品は全ての表記が中国語で書かれていることから、中国から直輸入されたものとみて間違いないだろう。私は正直あまりよく分からないままノリで購入。帰宅後に翻訳したところ、どうやら『インスタント版THE ALLEY』的なモノのようである。

THE ALLEYのインスタントとは初めて見たが、中国では一般的なのだろうか? パッケージに「2021年2月1日」と赤く印字されていて一瞬「賞味期限切れやないか」と思いそうになる。しかしアチラの国では賞味期限でなく “製造年月日” が記載される仕組みなのだ。誤解なきよう。


・結構チャンとしてる〜!

今回見つけたのは『黒糖鹿丸牛乳茶』『蜜桃烏龍牛乳茶』の2種類(各350円)。後者は直訳すると「ピーチウーロンミルクティー」といったところだろう。

『鹿丸』に関してはちょっと意味が分からなかったのだが、THE ALLEYを漢字で書くと『鹿角巷』であることから『黒糖鹿丸』で「タピオカ」と読むと予想した。ちなみに私は以前、趣味で中国語教室に通った経験を持つ。簡単な中国語ならノリで解読できるのだ!

カップを開けると……ウッワァ〜! 太めのストローと小分けパックが4種類!! 想像の10倍くらいチャンとしてる〜!!

当然ながら “作り方” も完全に中国語で書かれているのだが、漢字の読める日本人ならよく見ればなんとなく意味が理解できるはずだ。まずティーバッグを入れたカップに450mlのお湯を注ぐ。

そこへスキムミルク的な粉を……


……強烈なスメル!!!


この外国の甘すぎるお菓子のような香りを、どうお伝えすればいいだろう。しいて例えるなら ”『ビスコ』の匂いを100倍強烈にした感じ” といったところだろうか。これは好みが分かれるところだが、少なくとも我々のよく知るTHE ALLEYとは似ても似つかぬ香りだ。

ミルク粉は結構大量。ドボドボとカップに投入したら、しっかりかき混ぜていただきたい。

あ、黒蜜を入れる際は一気に吹き出すから注意な! 最後に主役のタピオカを……



……って、これタピオカじゃねぇ!!!!


・アズキでした

あれっ!? THE ALLEYにアズキトッピングなんてあったっけ?? 確認のため店舗へ行ったところ、やはり少なくとも現在、日本のメニューにアズキは存在していない。

私はこれまで ”THE ALLEY = タピオカ” と思い込んでいたが、実はこの商品『インスタント・アズキミルクティー』だったらしい。私の中国語力って一体…………そんなことより、果たしてどんな味がするのだろう?


恐る恐るひとくち……


…………


…………



私の知ってるTHE ALLEYとは全然違う!!


でもコレはコレでイケるかも〜〜〜〜!!!!


・かすかに通ずるものアリ

キツめのビスコ臭は茶葉の風味でほどよく薄まり、アズキの食感も楽しい。念のため「いつものTHE ALLEY」を買ってきて比較しておくとしよう。

う〜ん、やはり全然違う。しかし……どことなく通ずるものが……なくはない気もする。兄弟ってほど近くはないが、例えるなら「はとこ」くらいの関係性ってところだ。

もう1つの『蜜桃烏龍牛乳茶』はフルーツの香りが爽やか。こちらにもやはりタピオカではなくアズキが入っていた。海外でアズキミルクティーがどれほどメジャーなのかは不明だが、そのうち日本で流行る可能性も十分にあると思われる。

我々を未知なる世界へと誘ってくれる奥深き上野アメ横……コロナが落ち着いたらみんなも探検してみてね〜!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼翻訳協力:原田記者(中国へ留学経験あり)

▼注意した2回目も黒蜜が飛び散りました