突然ですがクイズです! いま日本で大ブームのタピオカ。タピオカミルクティーが誕生したのはどこでしょう? そう、皆さんご存知の通り「台湾」だ! 

では、どこのお店が発祥の地? いつ誕生した?

この問いに正確に答えられる人は今までいなかったのではないだろうか? なぜなら! 実は「タピオカミルクティーの発明者」をめぐって10年も裁判で争われていたからだ。そして最近、ついに裁判の結果が明らかになったという。結局、どうなったの?

・タピオカミルクティーの元祖はどこ?

台湾で「タピオカミルクティー」が生まれたのは1980年代のことだ。それはハッキリしている。だが元祖というと、長らく2つのお店が名乗りを挙げていた。

1つは台中発の「春水堂(チュンスイタン)」。春水堂は日本上陸の際に「タピオカミルクティー発祥の店」と報じられたので、印象に残っている人も多いだろう。春水堂の台湾公式サイトによると、

「1987年、台中四維店の店長だった林秀慧(りん・しゅうけい)が、タピオカを店の仲間に振る舞おうとミルクティーやレモンティーと一緒に出したところ、この組み合わせがとても合っていた。こうして世界初のタピオカミルクティーは偶然にも誕生した」

とのことだ。

まことにエエ話なのだが、台湾ではもう1店、「元祖」を名乗る店があった。それは台南発の「翰林茶館(かんりんちゃかん)」だ。同店は公式サイトで

「1986年創業者の涂宗和(と・そうわ)が世界で初めてタピオカミルクティーを開発し、お茶の歴史を変えた」

と掲げている。

・10年間の法廷闘争 → 意外な決着

2店のタピオカ誕生については若干の差はあるもののほぼ同時期。双方、主張を譲らず10年もの間、法廷で争っていたのだという。

そしてついに判決が下った。台湾メディア「ETtoday」などによると、その内容は

「タピオカミルクティーは特許品ではなく、誰でもどの店でも調合ができる。なので誰が “元祖” なのか論じる必要はない」

というものだった。意外な結末。「10年争ってソレか!?」と、肩透かしを食らったような気分だが、すでに両店とも元祖争いについてはそこまでアツくもないそう。ある意味、最も平和的な結論となった。

・ところで台湾で一番人気のタピオカドリンク店は?

台湾のタピオカ論争は終止符を打ったわけだが、「元祖」がないのなら「人気」となると、どうなのだろう? この判決が出たちょうど同じ時期に台中で「タピオカフェスティバル」が開かれており、「タピオカ総選挙」の投票が行われていたという。

元祖争いのニュースは台湾でも注目されたが、いまの消費者が選ぶのは元祖、いや老舗なのか、それともニューフェイスなのか、こちらも気になるところだ。

参照元:春水堂翰林茶館ET today今日新聞網 台中タピオカフェスティバル(中国語)
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼こちらは2015年頃に訪れた春水堂・四維店

▼「創始店」とバッチリ書かれていました。今回の判決を受けて表記が変わるのかどうか……気になるところです