
一般的な不織布マスクに比べて、そのマスクはディフェンスの意識がまったく違っているようだった。深い位置にポジションを取っていると言えばいいのだろうか。「深すぎる」と言うべきなのか。「ゴールキーパーの近くすぎる」と言うべきか。
つまるところ、鼻の穴にズボっと入れるタイプのマスクなのだ。繰り返す、鼻の穴にズボッ! である。商品名はそのまま「鼻マスク」と言うのだが、みなさんご存知だっただろうか?
私はまったく知らなかった。正確に言うと、数日前に秋葉原の「あきばお〜」の店頭に並んでいるのを見たとき、初めて知った。そしてビビった。なにせこのマスクだと、当然ながら口は完全にノーガードとなる。
鼻の穴に一点張りするようなディフェンス。これはマスクとしてどうなのか? ギャンブル要素が強すぎるのではないか? なんて思いながらも、実際に買ってみた。なお、購入価格は1セット(3個入)で税込390円。
・1日中着けてみた
パッケージをよく見ると、花粉やハウスダスト対策のマスクらしい。そのまま開封して実物をじっくり見れば、「鼻マスク」は穴にズボッといくメインの突撃パーツ2つと、そのパーツを連結するフレームで成り立っていることが分かった。
突撃パーツは異物を効率よくブロックするためか花びらのような形状で、触ると紙のような感触。それらを繋ぐフレームが透明なのは、目立たないようにするための配慮だろう。
手に持った感触は軽くてコンパクトだったが、不織布マスクに慣れている身としてはそのコンパクトさが逆に怖い。なんて思いながら、鼻マスクを1日中着けてみたぞ。
・鼻マスクを1日中着けた感想
なお、鼻マスクだけでは何かと心もとないので、外出時には普通の不織布マスクとダブルで使用。これが今話題の「2枚重ね」と言うのかどうか分からないが、とにかく仕事中はもちろん……
食事中も……
カフェにいるときも……
鼻マスクはずっと私の鼻の穴にいた。で、その感想を手っ取り早くお伝えするならば、ズバリ「思ったほど異物感はないが、鼻水が出る状態で装着したら試合終了」である。
まぁ予想通りと言えば予想通りだったものの、異物感がないのは軽い驚きだった。装着した瞬間なんて、鼻の穴にシックリ馴染んでいる感があったほどだ。強いて問題があった場面を挙げるなら、辛いものを食べたときに鼻水が奥からとめどなく流れてきて死ぬかと思ったくらい。
ただ……!
それより何より、今回の検証でもっともビビったのは、パッケージに記載の文言を読んだときである。以下にそのまま記載しよう。
・ビビった説明
「マスクができないビジネスシーンでも目立たず快適にご使用いただけます」
マスクができないビジネスシーン……
上を読み、ここ1年で価値観が大きく変わったことを実感するのは私だけではないだろう。今やビジネスシーンでもマスクは必須。オンライン会議とかではない限り、むしろビジネスシーンこそ必須である。
だが1年前は、必ずしもそうではなかった。振り返ると、コロナ禍が今ほど本格的になる前は「接客の場でマスクを着けるのは失礼ではないか?」みたいな議論があった。「仕事中に口元を出さないのはマナー的にどうか?」的な空気感が確かにあった。
つまり、「仕事中でも何でもマスクを着けたい人は自由に着ければいい」という考えでいたら、お怒りを買う恐れがあったのだ。改めて思うが、なんという理不尽さだろう。しかも、そんなに昔の話ではない。たった1年前である。
・鼻マスクは目立たない?
ちなみに、説明書きには「目立たず」とあるが、近くで見たら……
結構わかる!
ここでもしバレた場合……
「鼻ピアス?」
と思われるのは全然OKだとしても……
「あの人、鼻にプラスティックのタグ的なもの入れてる?」
──と思われる可能性がある。
そうなったら、オシャレなのか変態なのかよく分からない。仕事相手に与える印象としてかなりリスキーな部類なのは、説明するまでもないだろう。
よって、コロナ禍が終息しても鼻マスクだけをビジネスの場で使うのは止めた方がいいかと思う。鼻マスクだけを楽しむなら、ビジネス以外の場が安全ではないだろうか。もちろん、コロナ禍の今は鼻だけじゃなく口元も覆うマスクで。
まぁ何より、マスクがいらない日常に早く戻ることを願うばかり。そしてその時に、「マスクができないビジネスシーン」的な価値観が復活しないことを願うばかりだ。
参考リンク:あきばお〜「マスクシェル 鼻挿入型 レギュラーサイズ」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
和才雄一郎













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