タマゴの形をしたチョコレート菓子、それが「チョコエッグ」だ。中にはおもちゃなどが入っているのが定番で、現在でもコンビニやスーパーなどで目にするロングセラー商品である。中に何が入っているのか? チョコを割るときのドキドキがたまらないんだよなぁ。

そのチョコエッグが「とんでもない大きさになった」と聞いたら、あなたはどれくらいのサイズを想像するだろうか? 驚くなかれ、私、P.K.サンジュンがコストコで発見したチョコエッグは総重量6キロのチョコエッグ──。市販のチョコエッグの中では “世界最大級” だというモンスターである。

・誰が買うのか?

コストコで買い物をしていると、結構な頻度で「誰が買うんだよ?」という商品に出くわす。馬鹿デカい遊具や金庫などを見かけるたびに「マジで誰が買うんだよ?」と心の中でツッコんでいるコストコ会員は多いハズだ。

その中でも『超巨大チョコエッグ』は「誰が買うんだよ選手権」のチャンピオンを狙える逸材ではないだろうか? なにせ重さは6キロ、価格は衝撃の2万2998円──。心の底から「誰が買うんだよ」と思わずにはいられない。

まあ、私が買ったんだが、それはあくまで記事にするためであり、プライベートで『超巨大チョコエッグ』を購入することはないだろう。数名の店員さんに聞いてみたところ「購入された方は初めてみました」「何に使うんですか?」と話していた。いや、逆に何に使えばいいか教えてくれよ

・アホな上司、参戦

そんなこんなで購入した『超巨大チョコエッグ』の正式名称は「ジャイアント イースターエッグ チョコレート」で、総カロリーは驚異の3万1848kcal──。1人で完食したら糖尿病必至のカロリー爆弾である。勢いで買ってみたのはいいものの、マジでこいつをどう扱えばいいんや……。

そんな時であった。『超巨大チョコエッグ』に食いついてきたのは “アホな上司” で知られる当サイトのYoshio。彼は事務所で『超巨大チョコエッグ』を目にするや否や、ものすごい勢いで以下のようにまくし立ててきたのだ。

「デカッッ! すごいね、すごいね!! マジでデカいね、マジでデカい!」

──大きいですよね~。

「こんな大きいチョコエッグ見たことないよ~! 大きいな、大きいな。可愛いな、可愛いな☆」

──可愛い?

「ほら、これから何かが生れてくるかと思うと可愛くない? 中には何が入ってるんだろう~? よし、決めた! タマゴがかえるまで俺が面倒みるわ!!」

──え? チョコですよ?

「そんなことわかってるよ! 俺が言いたいのは、愛情をかけた方が中からイイものが出てくるってこと!! 愛だろ、愛!

──え、というか……。

「よっしゃ、とりあえずエッグちゃんを散歩に連れて行くわ! エッグちゃん、パパが一緒だから怖くないでちゅよ~☆」

さすがアホの上司、Yoshio。常人には理解が追い付かないが、とにかくタマゴがかえるまでは親代わりとなりチョコエッグの面倒を見るという。「チョコエッグの親ってなんだよ」と言いかけたが、アホには何を言っても通じないため、おとなしく私もYoshioの後を追うことにした。

・ダダ洩れる父性

超巨大チョコエッグを両手に抱え、まるで我が子のように優しく扱うYoshio。公園で一緒にすべり台やブランコを楽しむ様子は、まるで本当の親子のようである。Yoshioの優しげな眼差しからは、父性がダダ漏れていた。

チョコエッグを抱っこしながら歩くYoshio。チョコエッグと一緒に買い物をするYoshio。チョコエッグとベンチで一休みするYoshio。そしてチョコエッグを寝かしつけるYoshio。最初はバカにしていたものの、Yoshioの献身的な姿に私も胸を打たれずにはいられなかった。

・生誕の儀

そしてチョコエッグと数時間を過ごした後、その時はやってきた。そう、生誕の儀である。要するにチョコエッグを割るだけなのだが、先ほどよりもチョコエッグに愛着が湧いているから不思議なものである。


「ダメだ。俺、エッグちゃん割れないかもしれない」

──うーん、ちょっと気持ちはわかりますが、割らないと生まれませんからね。

「そうか……そうだよな。俺には親としてエッグちゃんに生を授ける義務があるよな」

──うーん、よくわからないけど、はい……。

「じゃあ割るわ。いやらしい話、もしかしたら金の延べ棒くらい入っててもおかしくないね。だって、精一杯愛情を注いだから。俺、真面目にエッグちゃんの親になろうとしたから」

──そ、それは……。

「ただ1つだけ言わせて欲しい。俺は金目当てでエッグちゃんの世話をしたワケじゃないから。親として当然のことをしたまでだから。そこだけはわかって」

──わ、わかりました……。


そしていよいよエッグちゃん誕生の時──。ハンマーで優しく優しくチョコエッグを砕いていくYoshio。さすが6キロの超巨大チョコエッグだけあって、そう簡単には割れてくれない。……が、やがてその時はやってきた。超巨大チョコエッグの中身は……!


空洞だった。


そう、コストコの超巨大チョコエッグは本当にただのチョコエッグでおまけ付きではない。実は私は買う時から知っていたのだが、Yoshioが予想外にノリノリになってしまったため、事実を告げるタイミングを逃してしまった次第だ。Yoshioさん、どうもすみません。

とはいえ、Yoshioの献身的な行動を見る限り、超巨大チョコエッグの中には「愛が詰まっていた」と言ってもいいのではないだろうか? そう、チョコエッグと共に過ごした時間はYoshioにとってかけがえのない思い出になるハズだ。


愛してるの響きだけで


強くなれる気がしたよ


いつかまたこの場所で


君とめぐりあいたい


──完──


参考リンク:コストコ公式サイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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▼生誕の儀は動画もどうぞ。

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