大変なことになった。Yahoo! ニュースによると昨日2020年11月30日、大ヒットを続ける『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の興行収入がなんと約275億円に到達。『タイタニック』を抜いて歴代2位に浮上したというのだ。あの『タイタニック』を……!? これは煉獄さんが本当に “300億の男” になる日も近いかもしれない。

それにしても、この未曾有の大成功を予測できた人が果たして何人いるのだろうか。いたら間違いなくそいつは天才……ん? あ、そういえば私(あひるねこ)、『鬼滅の刃』連載第1話をリアルタイムで読んでたわ。ということで、今回は伝説の始まりを一読者の視点から振り返ってみたい。

・伝説の始まり

漫画『鬼滅の刃』の連載が始まったのは今から4年以上前。週刊少年ジャンプ2016年11号に第1話が掲載されたのが最初だ。ちなみに同時期に始まった新連載は『ゆらぎ荘の幽奈さん』で、どちらも現在は完結している。

さて、私はかれこれ20数年間、ジャンプを1冊たりとも欠かさずチェックし続けているが、必ずしもすべての新連載を読んでいるワケではない。「お、これは」と前のめりになって気にならない限り、ほぼスルーしてしまうのが常だ。しかし、『鬼滅の刃』に関しては割としっかり読み通したと記憶している。なぜか? やたら暗かったからである。



・今と違う?

現在の『鬼滅』人気のイメージからはやや遠いかもしれないが、少なくとも第1話の時点では、あの作品は私の目にはかなり異様に映った。思い返してみて欲しい。死にかけの妹を背負いながら、絶望の表情を浮かべている少年がジャンプの巻頭カラーで、そのサブタイトルが『残酷』である。おい、週の始まりやぞ。

しかも数ページ後には母親と自分以外の兄弟がほぼ全滅。妹が鬼になって殺そうとしてくるわ、知らん男に土下座する羽目になるわ、さらにはそいつにめちゃくちゃキレられるわでもう散々だ。最後まで主人公にいいことが一つもないではないか。



・セオリー無視

普通、ジャンプの新連載第1話目なら、どんなに胸糞なストーリーだろうと最後は見開きで「ドン!!」みたいな熱い少年誌展開が待っているはず。しかし『鬼滅』の場合、そういった要素が一切なく、終始もの悲しい雰囲気のまま話が終わってしまう。そう、まさかの主人公ノー覚醒エンドである。

1話を読み終えた私の感想はたしか、「暗い」「かわいそう」「地味」「あまりジャンプっぽくない」というややネガティブなものだった。が、だからこそ非常に好感を抱いたのも事実だ。いいよいいよ! これをジャンプでやるの、高い志(こころざし)を感じるよ!! オレ応援するよ! みたいな。でも……


100パー打ち切られるだろうな。


・確信

残念だけど、こういう大人しい作風の漫画はジャンプではすぐ打ち切りコースだろうと私は踏んだのである。もしかしたら準中堅くらいにはなるかもしれないが、『ワンピース』クラスの看板化はまずあり得ないだろうと。4年後、『タイタニック』を抜くことになるとも知らずに……。



・ごめんなさい

その後の『鬼滅』の快進撃については言わずもがなだろう。じわじわ人気を上げ、新連載以来2度目の本誌表紙を飾った時は思わず「不死鳥かよ」と呟いたものだが、アニメ化でさらにドカンと人気に火がついてからの勢いは尋常ではなかった。打ち切りコースとか言って本当にすいませんでした。義勇さんに土下座をしなくちゃいけないのは炭治郎ではなく、私だったようである。

参照元:Yahoo! ニュース
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼『鬼滅』と関係ないけど、この5年で一番「キテんな」と思った第1話はたぶん『チェンソーマン』です。