鬼滅の刃(きめつのやいば)』なる漫画がメチャメチャ面白いらしい──。そう小耳に挟んだのは昨年の夏あたりだっただろうか? 聞くところによると『鬼滅の刃』は週刊少年ジャンプに連載中の漫画作品で、コミックが品薄になりオークションサイトで高額取り引きされるほど爆売れしているという。

私、P.K.サンジュンは、つい先日42(しじゅうに)の誕生日を迎えた正真正銘のおっさんである。ぶっちゃけ、全く興味がなかったのだが、たまたま『鬼滅の刃』と遭遇する機会があったので、物は試しで読んでみることにした。すると……。

・新作はほぼ読まない

人それぞれだとは思うが、42にもなると新規の漫画にはなかなか手が出しづらいもの。私が毎週必ず読んでいる & コミックを購入しているのは「キングダム」くらいのもので、キングダムより前だと「ワースト」くらいまでさかのぼる。とにかく漫画そのものを読まなくなった。

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キングダーーーーム!

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職場や友人と話す「キングダム」以外の漫画トークは、いまだに「北斗の拳」「魁!! 男塾」「ミスター味っ子」「クッキングパパ」が8割で、あとの2割が「ドラゴンボール」や「スラムダンク」など。「ワンピース」すら登場しないのだから、自分でもビックリするほど往年のタイトルをリサイクルし続けているようだ。

そう、私は過去に「ワンピース」で挫折している。周囲から「絶対に読んだ方がイイよ!」「泣けるよ!!」とゴリ押しされたワンピースですら、10巻までは読めなかった。少年漫画特有のキラキラ感が眩しすぎて、おっさんは胸焼けを起こしてしまったのだ。

そんなもんだから「鬼滅の刃が超おもしろいよ!」と聞いても、心は少しも浮つかなかった。その鬼滅の刃とやらにラオウより泣けるキャラは登場するのか? 江田島平八より強いキャラは描かれているのか? 味っ子級のワクワク感にあふれているのか? ハードルはメチャメチャ高い。

・ゴリ押しされて読んだ

だがしかし、私に「鬼滅の刃、超おもしろいよ!」と薦めてきた妻の妹(15個くらい年下)が「サンジュン、いいから読めって!」と超しつこいではないか。妻の妹は私が薦めた「キングダム」「クローズ」「サバイバル」などにハマった過去があり、私の好みはわかっているハズ。

しかも、気付けば我が家に鬼滅の刃(全18巻)があったから覚悟を決めるしかない。どうやら妻が正月休み中に全巻制覇するため妹から借りてきたらしいが、便乗してちょろちょろと『鬼滅の刃』を読み始めることにした。


すると──。


全巻読めた──。自分でも意外だったが、とりあえず最新巻まで辿り付けた。先述のように、世界的人気漫画「ワンピース」ですら序盤でリタイアした私が、である。この事実に当の私が1番驚いた。確かに『鬼滅の刃』はなかなかおもしろい漫画作品である。


・読めちゃった

正直、キャラの名前もうろ覚えで、特に「なんとかの型!」みたいな技名についてはほぼ覚えていない。だがしかし、男塾ほどではないにせよ多彩なキャラクターが登場し、また少年ジャンプ特有の「主人公のキラキラ感」がそこまで強くなかったのは、胸焼けを起こさなかった理由であろう。

ちょっとだけ解説すると、ワンピースの主人公の「海賊王に俺はなる!」は私的にキラキラ感が強すぎた。なぜなら「海賊王に俺はなる!」に理由はなく(少なくとも序盤では)、ただ少年の夢だけがその動機として描かれているからだ。

一方、鬼滅の刃の主人公は「鬼になってしまった妹を救うため強くなる」といった設定だったので、私の中で「じゃー、仕方ないよな」と腑に落ちた。デザイン的に「完全に狙いに行ってるな」というキャラが多数登場するものの、メンタルを含んだキャラ設定も追いついているのではなかろうか。


・1番良かったところ

さらに言えば、割と早い段階で主要キャラがバシバシ死んで行く展開は「北斗の拳」を連想させるものがあった。コミック18巻にして大ボスの2つ手前くらいまで来ているテンポの良さ。この展開の早さ、テンポの良さこそが『鬼滅の刃』を読み切れた最大の理由である。

今後、私が『鬼滅の刃』を最後まで読むかはわからない。だが42のおっさんですら、とりあえず読破させてしまう面白さがあることだけは確かだ。鬼滅の刃……評判になるだけのことはあるようだ。心を燃やせ──。

参考リンク:鬼滅の刃公式ポータルサイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.