反省している。私は先日、とても失礼なことをしてしまった。無知ゆえに、まるで「身なりで人を見る」ような感覚で、「価格でそうめんを見る」をしてしまったのである。

そりゃ見るだろ! 価格は重要だろ!! というか、ふつう、いや、とくにそうめんは味と価格が比例しているだろっ!! ……とツッコむ人も多いだろう。そしてそれは事実かもしれない。


だが!!!!!!!


そうでないこともあるんだなってのが今回のお話。それも100均のお話である。

・揖保乃糸を切らしていた

自分の中での史上最強そうめん汁「邪道そうめんピリカラ豚なすデスマッチ」を作り終えた私は、おもむろに食料庫をチェックした。たしか揖保乃糸の残り半分(3束)があるはずだ。それを45秒ほど茹でたら完成……ふふふふふ……とニヤニヤしながらゴソゴソ探るも……

ない。

どうやら揖保乃糸、知らぬ間に食べちゃったらしい。オウマイガー……。今からスーパーに行くのは嫌だし、今さら「これ(汁)は冷凍保存しておいて、別の料理を食べる」なんて選択肢は考えられない。もう口が邪道そうめん。何がなんでも、邪道をキメたい! ファイヤーッ!!


──と、そこで思い出したのが、いつぞやかダイソーで買った100円の『島原素麺』だった。ネタになったらいいなと買っておいたそうめん。食糧庫じゃなくて「100均倉庫」のほうに、おそらくそれは眠っている。ゴソゴソゴソ……

あった。

ということで、「そうめん難民」の状態からは抜けているのだが、私の心はブルーだった。正直言おう。「チッ、100円のかよ……」と思っていた。「どうせそんなに……」と思っていた。つまるところ、ナメていた。無知がゆえに、ナメていた。


パケ裏の調理法を見てみると、茹で時間は2〜2分半とある。ほっほ〜、ということは、おそらくこれ、ちょっと太め?


やはり、やや太め。というか……


なんか「棒ラーメン」を茹でている感覚……


仕上がりも……


そこはかとなくラーメンっぽいぞ……?

まぁでも、汁が絶対的にウマいから、たとえ「麺」がダメでも満足できる……とか、失礼すぎることを考えながら作っていた。


そして……


何も期待はしていなかったが、


むしろ「消化試合」的な感覚だったが、


ためしに「麺」だけを食べてみたところ……


\ズズズズッ……/

おや?


あれ?


これはこれで……


うまくないか?


ためしに「邪道そうめんピリカラ豚なすデスマッチ」に浸してみると……


よくからむ……というか、染みているというか、なんというか……まるでラーメン! そして、まさかと思いながら食べてみると……



アイヤーッ……!!


う、う、美味すぎるアル……!!(KO)


ちょっとこれ、「邪道そうめんピリカラ豚なすデスマッチ」にピッタリというか。むしろ揖保乃糸よりも、こっちの「島原素麺」のほうが合うというか! なんなら「邪道そうめんピリカラ豚なすデスマッチ」のオフィシャル推奨そうめんに指定したいくらいのドンピシャ感! しかもなんだろう、あまり食べたことのない感覚の「そうめん」なのだ。ラーメンみたいなそうめんというか……。


決して「安い味」なんかじゃない。こんなのが1パック(6束)100円で買えるとか奇跡だろ!! ちょっとこれ……「スタメン入り(常備)」決定じゃない? 次ダイソーで見かけたら、3パックくらい買っとこっかなって。甘く見ていて大反省! ナメていた自分に喝! である。


・悟りのそうめん

島原素麺が教えてくれたのは「そうめんは価格ではない」ということ。なにごとも、中身、いわば実力、すなわち「真」を見てから判断したいものである。

これがあるから100均検証はやめられない。100均パトロールとは “出会い” であり、“気付き” であり、そしてなにより修行である。またひとつ、悟りの境地に近づいた気がする。


Report:100均評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24