日本列島、暑くなって参りました。新型コロナウイルスの影響でステイホームされている方も多いかと思いますが、ここ数日の東京は半袖でも十分な陽気ですよね。そんなこれからのシーズンに大活躍するのが「そうめん」です。

我が家は少なくとも週2、多いときは週4くらいで そうめんのお世話になるんですが、みなさんのご家庭ではどんな感じでそうめんを食べていますか? 今回はその辺りにも触れつつ、私(P.K.サンジュン)の実家に伝わるそうめんの薬味『きゅうりのヤツ』の作り方をご紹介いたします。

・我が家流「そうめんの食べ方」

そうめんの主役はもちろん「そうめん」ですよね。加えて挙げるなら「つゆ」でしょうか。ただし、我が家ではやや捉え方が違って、そうめんが主役であることは間違いないんですが「薬味」も同じくらい重要なポジションを占めています。

なんなら、我が家のそうめんは「そうめんを利用して薬味を食べる料理」と言ってもいいほど薬味が重要なんですね。そうめんをやる時は、ねぎ・万能ねぎ・みょうが・大葉あたりを大量に刻むのですが、その中核を担うのが『きゅうりのヤツ』です。

・母の創作レシピ

さて、この『きゅうりのヤツ』は亡き母が考案したもので、私が幼い頃からそうめんの際には必ず登場していました。『きゅうりのヤツ』が一般的な料理じゃないと知ったのはずいぶん大人になってからのことで、それを告げると妹2人も「マジで?」と衝撃を受けていたものです。

また『きゅうりのヤツ』に正式な名前はありません。レシピを執筆するにあたりいくつか名前を考えてみたんですが、どれもしっくり来なかったため、従来通り『きゅうりのヤツ』とさせていただきます。

・きゅうりのヤツのレシピ

【材料】
きゅうり: 2~3本
しょう油: 大さじ1
ゴマ油: 大さじ1
ゴマ: 適量
唐辛子: 適量

【作り方】
1: きゅうりを千切りにしてボウルに移す


2: しょう油、ゴマ油、ゴマ、唐辛子を入れてよく和える


はい、以上です。たったこれだけです。ポイントがあるとするならば “きゅうりの切り方”でしょうか。きゅうりは細かく切ると麺に絡みやすくなる半面、しょう油の塩分で水が出るため歯ごたえに欠けます。個人的に今は千切りと拍子木切りの中間くらい、やや太めの千切りくらいが好みですね。

また、放っておくとジャンジャン水が出てきてしまうので、そうめんを食べる直前にササっと仕上げることをオススメします。加えて言うと最終的にはつゆに入れるため、そこまで味付けを気にする必要はありません。少々濃くても薄くても、あとは麺つゆ側で調整すればOKです。

・唐辛子は入れなくてもOK

ちなみに実家では、大人用の「唐辛子入り」と、子供用の「唐辛子抜き」が用意されていました。しょう油・ゴマ油・ゴマで9割方完成している料理なので、唐辛子はお好みで加えてみてください。入ったら入ったで美味しいですが、無くても十分に美味しいですよ。

味については、大人になってから亡き母に聞いた話をご紹介しましょう。きゅうりのヤツが我が家にしかないと知った私が、そのことを母に訊ねたときのことです。


「あれはお母さんが考えたのよ。そうめんってさ、サッパリしすぎてるじゃない? なんかサッパリしすぎてて物足りないというか、たくさん食べられないのよ。天ぷらでも揚げればいいんでしょうけど、夏場にそうめんのお湯と天ぷらの油を2つ同時に火にかけると暑いでしょ? 

きゅうりをそのままつゆに入れても美味しくないけど、こうやって味付けすれば味にボリュームも出るしね。あと、そうめんと油って相性がいいから。お蕎麦だと合わないから不思議よね~」


確かに我が家で「きゅうりのヤツ」は、そうめんの回でしか登場しませんでした。蕎麦もちょいちょい食べていたのですが、今思えば母なりのこだわりがあったのでしょう。こうして『きゅうりのヤツ』は私と2人の妹にしっかり引き継がれているのです。

「薬味」というには存在感がありすぎる気もするんですが、これは誰に食べさせても「ウマ!」「なにこれ?」と口を揃えます。これからそうめんのお世話になる方も多いことでしょうから、機会があればぜひ1度『きゅうりのヤツ』を試してみてくださいね。

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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▼これが母のオリジナルだと知ったのは、かなり大人になってからでした。