そば道とは死ぬことと見つけたり──。そばを食べた瞬間、私(中澤)はその店に侍を感じた。日本刀のように研ぎ澄まされたのど越しのキレ。そばを飲み下すたびバッサリ切られているような感覚さえ覚える業物(わざもの)である。しかも、この味でもりそばが490円とはこれいかに? 天晴っ……!

感動のあまり冒頭で味の全てを伝えてしまったが、そんなそばを出してきたのは馬喰町にある『東京バッソ』だ。まるでビルの入り口のようなこの店は、入ってみるとひっそりした立ち食いそば屋となっている。

そのひっそりした佇まいとは逆に、昼時は満員になる人気で、名前だけは私も聞いたことがあった。そこで所用で馬喰町に行った際に寄ってみたのである。

しかし、ウマイウマイとは聞いていたがこれほどとは。前述のそばに絡むのはキリッと辛口のつゆ。「キレ+キリ」で驚くほどのど越しが爽やかなのだ。

・昇天

さらに、コシの強さもキレ味にひと役買っているように思う。とにかく、噛み始めたら喉まで一直線。スルスルと流れるようなそばの食感は天晴である。

嬉しいのは、そばの種類を「田舎そば」「さらしなそば」「ダッタンそば」の3種類から選べるところ。私は今回、「十割そばととり天のセット(税込640円)」を注文しダッタンそばをチョイスしたわけだが、辛口つゆにダッタンそばの苦みが生きていて昇天しそうになった。

磨き上げられた味のわりに価格も安いこの立ち食いそば屋。その良心的なスタイルに、食べ終わった後私がたどり着いた結果は感謝であった。感謝するぜ。お前と出会えたこれまでの全てに!!!

(※本記事は緊急事態宣言が発令される前に取材したものです)

・今回紹介した店舗の情報

店名 東京バッソ
住所 東京都中央区日本橋馬喰町1-3-11
営業時間 月~金11:30〜14:30、17:30~22:00 / 土11:30〜14:30
定休日 日・祝日

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

日本、〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目3−11