もはやプレステ3が4に進化したところで、昭和生まれの私にその違いは分からない。しかしファミコンがスーパーファミコン(通称スーファミ)に進化したときは明治生まれのおばあちゃんでさえも、きっとこう言ったはずである。
「科学の進歩もここまで来たか」と。
個人的にスーファミの何が一番スゴかったかって、「急にセーブデータが消えないこと」だ。若い人には何を言っているか分からないかもしれないが、あれは本当に画期的で当時は興奮したもの。……そんな我らが青春・スーファミの現状を探りに秋葉原へ行ってきたぞ!
・カセットゲームの金字塔
ファミコンのランキング記事同様、取材にうかがったのは秋葉原を中心に展開するゲームショップ『レトロげーむキャンプ』。
スーパーファミコンの中古本体価格は状態によって差があるが、平均すると1台4000円前後だ。ファミコン本体よりも安いというのが不思議な感じ……。
余談だがファミコンの「急にセーブデータが消える問題」の対処法をうかがったところ、部品の交換が効果的であるとのこと。ただしこの店では交換サービスを行っていないため、やってくれるところを探そう。
・トップ5を発表
それでは前回同様、田中さん(お店の責任者)がスーファミ売上トップ5を教えてくれたぞ!
田中さん「本当にお約束のラインナップで申し訳ないんですが……」
1位:スーパーマリオカート
2位:スーパードンキーコング
3位:スーパーマリオワールド
田中さん「まぁ、どうしてもこの辺がランクインしてきちゃいますよね……」
4位:ゼルダの伝説〜神々のトライフォース〜
5位:ストリートファイター2
(※売上順は『初代スト2』>『スーパースト2』>『スト2ターボ』>『ストZERO2』とのこと)
……事前に忠告されていたとはいえ、ランキング結果の「ザ・王道」ぶりは想像をはるかに超えていた。ベタすぎて思わず小刻みに震えてしまったほどである。まるで「スーファミソフトといえば?」というアンケートの集計結果みたいじゃないか!
「女子にしては強いけど男子には負ける」程度のライトゲーマーな私ですら、この5タイトルは当時全て所有していた。特にマリオカートとマリオワールドに関してはコントローラーを握ったまま寝るほどやり込んだと記憶している。
ちなみに娘が眠った夜中、父がこっそりマリオカートをプレイしていたと知ったのは最近のことだ。昔の父親ってのは「ゲームがしたい」なんて恥ずかしくて言い出せなかったワケなんだネ……それはいいとして……。
・スーファミと欧米人
撮れ高的なものが若干心配になった私は、「何か変わりダネはないか」と食い下がってみることにした。例えば最近人気が出たソフトとか……?
田中さん「そうですね、これもベタですが外国人が大好きなのはロックマン系ですかね。あっちでは呼び名が違って “メガマン” っていうんですけど」
──へー! 今日も外国人のお客さんが多いですよね
田中さん「全体の4割くらいは外国人ですね。特に欧米の方が非常に多いです」
──『ファイナルファンタジー6』(筆者のベストスーファミソフト)はどうですか?
田中さん「それも外国人がめっちゃ買っていきます。日本人は……みんなもうやっちゃってるんじゃないですか(笑)。日本人の動向でいえば、最近だと映画の影響で『ドラクエ5』が急に売れたりとか。あとは『ゲームセンターCX』(フジテレビONEで放送中のゲーム番組)で取り上げられると、影響をモロに受けます。それから新作が発売されると過去作が売れたりとか」
──日本人わかりやすい! それじゃあ前もって取り揃えておいたり?
田中さん「そうですね。今だと、もうすぐ『FF7』のリメイクが出るんですが、その影響でプレステ版の7がすでにメチャクチャ売れています。昨日未開封状態のFF7を店頭に出したら、外国人がポンと買っちゃいました。4万円くらいするんですけどね」
──まさか相場を知らないんじゃ……?
田中さん「いやぁ……開封するとは思えないです(笑)」
──このお店で1番高いスーファミソフトは?
田中さん「う〜ん。入荷するとすぐに売れちゃったりするんで……今店にあるものの中だと……『マジカルポップン』の10万円ですかね。……あっ、ごめんなさい売れちゃってるわ」
──高っ! 一体どうして?
田中さん「う〜ん……分からないです(笑)」
──希少性が高いということなのでしょうが、今後ソフトの資源が枯渇するということは?
田中さん「あるでしょうね(即答)」
──ヒッ!
・初心にかえってみよう
どうせ王道ならとびきりの王道を、ということで私はあえて今回ランキング1位の『スーパーマリオカート』を購入することにした。かつて1000回は見たはずのキャラ選択画面……
……の画質がイメージよりだいぶ荒くて驚く。えーと、アクセルはBだっけ……? 今となっては操作方法もおぼつかない。とりあえず「俺は弱いよ」と公言していた当サイトのP.K.サンジュン記者とマリカー対決してみることにしたぞ。
最初は懐かしさに笑みがこぼれたものの……
次第に罵声が飛び交う荒れたレースに展開していった結果……
わずか0.93秒差でサンジュン記者が勝利!
・いくつになってもムキになる
勝利が決まった瞬間、飛び上がって絶叫したサンジュン記者。「女相手にムキになってみっともない」と抗議した私だが、「女相手に負けるわけにはいかない」という彼の言い分にも一理ある。
その後対戦した原田たかし記者に……
クールビューティーがウリのあひるねこ記者までも……
勝利の瞬間はガッツポーズだ!
「だれもがプレイしたことのあるゲーム」ってそんなに多くない。我々30代前後の世代はきっと一生、マリオカート対戦でムキになり続ける宿命(さだめ)なのだろう。
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 レトロげーむキャンプ秋葉原店
住所 東京都千代田区外神田3-14-7 新末広ビルC
時間 11:00〜20:00
定休日 無休
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
▼なぜか「男チーム」の構図ができあがってゆくレース展開