海外限定ポケモン目当てにヨーロッパ周辺を放浪した私だが、アテが外れてガッカリした件については以前の記事でお伝えした。特に期待していた “西半球” に位置するポルトガル、 “アフリカ大陸” に位置するモロッコで成果が得られず、その絶望は計り知れない。
ところが……だ。
留学中の友人に会うため立ち寄った離島。そこが限定ポケモンたちの楽園だなどと、一体誰が想像し得ただろうか? おまけに格安でリゾート気分まで味わえるなんて……トレーナーならずとも行かない理由はそんなにないっ!!!
・不思議すぎる立地
まず結論から申し上げると、私が今回オススメしたいのは『カナリア諸島』。カナリア諸島は7つの島で構成されており、島同士の距離が近いためポケモンの出現事情は同一な可能性が高いものの、念のため私が実際に訪れたのは『テネリフェ島』だけであることをお断りしておく。
テネリフェ島は正真正銘スペインの一部なのだが、世界地図を見れば誰もが目を疑うだろう。スペイン本土と国2つ分ほども遠く離れており、アフリカ大陸の方によっぽど近いからだ。私が苦い思いをしたモロッコからは船で簡単に移動できる距離である。
きけばヨーロッパの人たちにとってカナリア諸島は、日本人にとっての “沖縄” みたいなポジションらしい。緯度的にも沖縄と近いここは12月だというのに温暖で、バカンスを楽しむ欧米人が多く訪れている。
・スペインのトレーナー
生ハムの切り方を教えてもらうなど、テネリフェ島で世話になったのは友人の友人であるパブロ君(スペイン人)だ。
実はパブロは150人ものフレンドを抱えるレベル40トレーナー。
アプリを覗かせてもらうと……見慣れたポケモンGOも、表示がスペイン語だと心なしかオシャレに見える。
ポケモンボックスはキチンと整理されて……
アアァーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!
そこにはなんと私がこの1カ月間、会いたくて会いたくて……でも会えなくて震えていた『クイタラン』の姿が! クイタランの生息地域は『西半球』だ。その西半球であるはずのポルトガルとモロッコを、どれだけ歩いてもクイタランの影ひとつなく、私はとっくに諦めていた。それがまさかこの島に……?
確認してみるとクイタランは、間違いなくテネリフェ島で捕獲したものだという。「よく見かけるのか」という問いについて、パブロは顔をしかめてみせたが……。
パブロ「う〜〜〜ん。この周辺にはポケストップが少ないからねぇ。でも君がここから1週間、本気でポケモンGOをプレイしたなら……願いは叶う。Maybe OK(たぶん大丈夫)さ!」
・島の事情
パブロのツテで自転車を借り、翌日からクイタラン探しを開始した私は、すぐに彼の言葉の意味を知ることになる。
私の宿泊先から見渡せるポケストップは20ほど。
自転車で移動可能な距離にあるポケストップは、それで全てなのであった。
この島では州都である『サンタ・クルス・デ・テネリフェ』と、空港に近い『コスタ・アデヘ』がそれなりに大きい街だ。しかし多くの観光客の目当てである “西側に点在するビーチ” 周辺は、どこをとってもポケストップが絶対的に少ないのである。
クイタランは東半球における『アイアント』と対をなす存在だ。東京でだって野生のアイアントを見つけることは容易くないが……果たして10日間の滞在で出会えるのだろうか? なんだか不安になってきたぞ。
・むやみに歩きたい島
とはいえ、テネリフェ島は暖かくて過ごしやすい。ゴチャゴチャ言わずに動き続けよう。海岸線に綺麗なサイクリングロードが続いている。
ポケモンとか関係なく、どこまでも走ってゆきたい気分になる場所だ。
そうこうしてたらまさかの……
ハブネークに!
ソルロックに!
イルミーゼまでゲット!
私はこの3匹を捕まえるためにモロッコへ渡ったと言っても過言ではない。しかしモロッコでは影ひとつ見つけられなかったのだ。位置的にはモロッコとほぼ同じ、かつ一応ヨーロッパであるはずのテネリフェ島で出会えるとは……出現地域って本当に微妙なものなのだと痛感する。
……色々と思うことはあれど、ともかくゲットできたのだから大ハッピーだ。走り疲れてふと横を見れば美しいビーチ。明日は水着でポケモンを探そう。とか考えてるうちに……
南国限定のサニーゴ!
スペイン南部にもいたトロピウス!
ピンクのカラナクシに……
おなじみのバオップも難なくゲットだ!
・痛恨のうっかりミス
かくしてあっという間にテネリフェ島を去る日がきた。10日間のうち2日は州都のサンタ・クルス・デ・テネリフェでスマホとにらめっこして過ごしたが、ついにクイタランの影が映ることはなかったのである。あ〜あ、やっぱりそう上手くはいかないワケか。
ところが……!
テネリフェ島産の5kmタマゴからクイタランが孵化したのは、島を離れた翌日のことだ。
言い訳をさせていただくと……ここまで2カ月間のヨーロッパ滞在で、1体でも多くのマネネを孵化させようと躍起になっていた私は、孵化装置にゼニを使い過ぎていた。
パブロの証言ならびにバリヤードがいないという状況証拠から、テネリフェ島でマネネが孵化しないことは確定的。ならばあまり意味がないということで、私は島滞在中「タマゴ休憩」を決め込んでいたのである。
10日間キッチリとタマゴを割っていれば、少なくともあと数匹のクイタランが孵化していた可能性は高い……。私は悔しさのあまり数日間眠れなかったが、この経験が今後誰かの役に立てば少しは報われるというもの。
みんな、海外旅行中のタマゴ休憩は絶対にナシな!!!!!
・テネリフェ最新情報!
さて……ご存知の通り今年1月11日に『イッシュ地方』のポケモンが新たに実装された。私が現地で見てきた情報が、ものの1カ月で更新されてしまったことになる。
さっそくテネリフェ島のパブロに国際チャットを飛ばしてみたぞ! おぉ〜い! そっちでは限定ポケモンがいくつ登場しているかしら〜?
パブロ「やぁ元気かい! こっちでは “グリーンフィッシュ” と “レッドジュードー” が登場しているぜ!」
送られてきた画像と状況から察するに「グリーンフィッシュとレッドジュードー」とは、「バスラオ(あおすじ)とナゲキ」とみて間違いないだろう。 “緑の魚” と “赤い柔道” ……外国人の表現って分かりやすくて素敵だ。
というわけで今回の調査により判明した、テネリフェ島で現在捕獲できる限定ポケモンは以下の通り。
クイタラン
トロピウス
バオップ
イルミーゼ
ハブネーク
サニーゴ
ソルロック
カラナクシ(にしのうみ)
ナゲキ
バスラオ(あおすじ)
のべ10種類もの限定ポケモンがゲット可能! これは1カ所で捕獲できる数としては世界トップクラスといっていいのではないでしょうか!?
もちろん同様のポケモンをゲットできる場所が、アフリカ大陸のどこかにも存在している可能性はある。しかし私がモロッコで経験したポケストップの少なさ、治安の悪さ、通信環境などとも照らすと、短期間の旅行でこの10種類を確実にゲットできる場所としては、テネリフェ島がベストな気がしてならない。
テネリフェ島はリゾート地でありながら物価が安く、ヨーロッパからの移動も簡単。おまけに飯もウマいときている。旅するトレーナーのみんな、行き先に迷ったときはテネリフェ島が超オススメだ! マジで!!!!!
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:ポケモンGO、Googleマップ (iOS)
▼さすが南国は街路樹がトロピウスっぽい