離乳食期を迎えるお子さんをお持ちのパパママなら一度は考えたことがあるだろう。「ベビーフード使う?」

我が家には子供が3人いるが、離乳食期にはよくベビーフードを取り入れていた。そしてそのメリットをひしひしと感じたものだ。手間が省ける、赤ちゃんと触れ合う時間が増えた……という親目線のメリットも大いにあったが、何よりベビーフードの利用が子供のためになったと思っている。

「栄養士でも何でもないお前が何言ってんの?」とお思いの方もいるかもしれない。プロでないからこそベビーフードの上手な利用は赤ちゃんのためになると感じているのだ。なぜなら……

・ベビーフードは「プロ監修の食品」

ベビーフードとはその道のプロが開発した食品だからである。プロが1日中、1年中、食材と真剣に向き合い赤ちゃんのために味付けや栄養バランスを考えて作られたものだ。

つまり離乳食の「お手本」なのである。

子供が多く、身近に赤ちゃんがいた時代なら親になる前でも何となく離乳食が何たるかを知る機会もあっただろう。しかし核家族化した現代では知る機会も少ない。私もそんな1人で、ベビーフードから「そのとき赤ちゃんに必要なこと」を多くを学んだと感じている。

もちろんレシピ本やサイトにも書いてあるが、「実物を見て、実際に味を見てみる」とでは理解度が全く異なったのだ。具体的に挙げると

【月齢にあった固さやサイズがわかる】

離乳食初期はドロドロのペースト状にする。それは難しいことではなかったが、私はその後、どのタイミングで次のステップに進めばいいかよくわからなかった。そこで参考になったのがベビーフードだ。ベビーフードは月齢に応じた固さや大きさで作られている。

月齢があがる度に商品をチェックして「もうちょっと固くてもよかったね」「大きすぎた!知らん間にスパルタ式になっていた……」とその都度、成長に合わせたサイズや固さに軌道修正。そうやって離乳食を進めることができた。

【月齢にあった味付けがわかる】

子供用の食事は味付けを薄めにというのは常識。そして月齢があがるごとに調味料を取り入れてもOKというのも常識。でも実際にどれくらいの味なのかをハッキリ答えられる人は何人いるだろうか。

だがベビーフードの味を見ればその疑問は一発で解決だ。レシピ本にも分量などは表記されているが、自分の舌で味を知っておけばレシピの幅も広がるのではないだろうか。大きさや固さ同様、プロが「これだ」と示した味を知ることで家で作る際に大変参考になった。

【取り入れにくい食材が手軽に摂れる】

また、家では取り入れづらい食材を簡単に取り入れられることも大きなメリット。この点で私がもっともベビーフードのありがたみを感じたのは「鶏レバー」だ。もし自分で作るとしたら新鮮なレバーを売っている店をさがし、買いに行き、下処理して調理してペースト状にして……ってそれだけで日が暮れるわ! 

多くの種類を食べておくことは、0〜1歳児での保育園における給食対策にもなる。多くの園ではアレルギーの観点から「初めての食材はおうちで」「家庭で食べたことがない食材は園では食べさせられない」としているだろう。手間がかかるものや入手しづらい食品はついつい漏れがちだが、そこもカバーしてくれるのがベビーフードである。

──以上の点から、ベビーフードは親が楽するために存在するのではなく「赤ちゃんのため」だと感じた次第である。ほかにも野菜が足りないときにベビーフードで補ったり、旅行先での食事にしたりと大活躍してくれた。

・デメリットがあるなら逆に聞きたい

ベビーフード自体にも助けられたし、それをお手本とすることで自作する際にも大変参考になった。商品選びも自作メニューの参考にした際も常に子供にとって最善であるように心がけたつもりだ。きっと他の親御さんも同じであるはず。「ベビーフード=愛情がない」とは言わせない。

そんなベビーフードのデメリットはあるのだろうか。ひとつ言えるのは「高額になりがち」ということ。

いま店頭に並ぶ主要メーカーのものは保存料などは無添加、産地の表記も当たり前。さらに有機野菜使用などこだわりがある方向けの商品も多い。1食すべて市販のベビーフードでそろえたなら、ものによったら大人の昼食代を越えてくるだろう。

そのあたりをどうとらえるかは個人の価値観によるが、そこはどの価格帯の商品を使うか、そして使用頻度などで折り合いをつけられるのではないだろうか?

実際に育児をしてみて、ベビーフード批判の根底には「楽することへの罪悪感のようなもの」があるように感じる。でも「育児にヒィヒィいうことが美徳」ではないはず。

最も大切なのは「子供の命を守り、育むこと」であり、現代の多くのベビーフードはそのラインをしっかり越えている。上手な取り入れ方はむしろ「意識高い」と思うのだが……皆さんはどう思うだろうか?

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼うちのレギュラーメンバー。100円前後のおかずレトルトと、ご飯もついてるお弁当

▼初めてのマッシュルームはベビーフードで食べさせました。1パックで9品目摂れるのも嬉しい。自作ではとてもできない

▼こういう冷凍のものもある。ベビーフードの活用の幅はとても広い