私たちの身近な生活の「当たり前」が、外国では「違う」ことは珍しくない。カルチャーショックという言葉があるように、文化の違いにショックを受けることもある。だが一方で、その違いが興味深く感じられることもあるだろう……。

私は、イタリア旅行中に訪れたベネチア、ローマ、ナポリで見たゴミ箱に日本との違いを感じた。しかも地域によって様々な個性があったのだ。というわけで早速、イタリアのゴミ箱を紹介していこう!

・お洒落で清潔なゴミ箱「ベネチア」

まず、イタリア北部に位置する水の都ベネチア。街全体が世界遺産ということもあり、道や建物もキレイであるがゴミ箱も3都市の中でダントツにキレイな印象を受けた。街には清掃員の姿も多い。清潔な街作りにかなり力を注いでいるのだろう。

ゴミ箱のデザインも、石造りの街に似合うお洒落なものばかり。とくにイタリアらしいと感じたのは、ポストに似た形のゴミ箱だ。お洒落かつ、遊び心あるデザインで可愛らしい。それにしても、ベネチアのゴミ箱は他の2都市に比べて灰皿付きが多い気がする。

それはさておき、ベネチアは小さな街だが私が見かけたゴミ箱の数はローマやナポリに比べダントツで多かった。それに加えて、ゴミで溢れ返っているゴミ箱はほぼ無い。

世界的な観光地であれば、多くの観光客がやって来る。ましてゴミ箱は、ゴミを捨てるところだ。汚れて当然だと思うが、常に清潔に保たれているということは、マメに清掃を行っている証拠だろう。


・実用的 + デザイン性もあるゴミ箱「ローマ」

次は、イタリアの首都ローマのゴミ箱。ローマは多くの人で賑わっているためゴミの量も相当あるのだろう。街にゴミ箱が少ないわけではないが、場所によってはゴミ箱がパンパンだったり、道路へのポイ捨ても目立った。

そんなローマでよく見かけたゴミ箱は、主に2つ。1つは人の背丈くらいある巨大なゴミ箱。このタイプは飲食店などが多く並ぶ通りでよく見かけた。複数並んで設置されていることが多いようで、フタの部分が三角屋根の形に似ている。まるで小さな家のよう。

もう1つは、袋タイプのゴミ箱。イタリアの空港や駅でもよく見かけるタイプだ。袋の口部分だけを固定して、ゴミ袋が宙ぶらりん状態になるように設置される。袋が見えるとチープな感じがしそうだが、むしろシンプルさがスマートに見せていた。

他にも、バチカン市国でペットボトルのリサイクル用ゴミ箱などを発見した。今回私が出会えたゴミ箱はほんの一部なので、探せばもっともっと興味深いゴミ箱がありそうだ。


・ゴミ箱よりもゴミ事情が心配「ナポリ」

ナポリといえば、2012年頃に深刻なゴミ問題が世界中で話題になった。当時のナポリはゴミ処理や財政的な問題を抱え、大量のゴミが街に放置されたままになっていたようだ。その結果、悪臭やゴキブリの大量発生が起きたという。しかし、深刻だったのは今からおよそ8年前のこと。

今回、私が足を運んだのはナポリセントラル駅周辺と、コルソ・ウンベルトというメインストリート周辺。ゴミ問題でとくに悲惨な状態に陥ったエリアではないから詳しいことは分からないが、私が行ったエリアに限って言うとゴミ箱の数は他の都市と同じくらい設置されていた。

住宅地が近い場所にはローマと同じような巨大なゴミ箱があったり、メインストリートや駅周辺では、レトロな街並みに似合うお洒落なゴミ箱も見かけた。

ただ、ゴミ箱はあるのにそこら中に溢れ返っているゴミの姿。道路に無造作にポイ捨てされているゴミの量はベネチアやローマと同じ国なのか……と考えさせられるほど深刻なものだった。

美しい風景があるナポリだからこそ、道に溢れているゴミの状態にはギャップを感じる。8年前と比べれば良くなってはいるのだろうけれど……。


・イタリアのゴミ箱達

全体的にイタリアのゴミ箱は、その街に似合うものが置かれていた。それにゴミ箱の設置数だけを見れば、どの都市も日本の都心部より多いように思う。イタリアのゴミに対しての意識は低いわけではなさそうである。

ちなみに、日本の都市部に住んでいると “公共の場にゴミ箱が少ないこと” は当たり前になっているかもしれないが、不便に感じる人は少なくないようだ。その件に関して、以前に当サイトで紹介しているから気になる人はチェックしてほしい。

Report:mai
Photo:RocketNews24.

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