2019年12月20日、映画『スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け』が公開される。ロケットニュース24では歴史的超大作のフィナーレに花を添えるべく「スカイウォーカーの夜明け5連続インタビュー」をお届けする。
第1弾「J・J・エイブラムス」監督に続くのは、ルーカスフィルム社長「キャスリーン・ケネディ」だ。監督や演者と比べるとあまり表立った情報が出てこないが、果たして彼女はスター・ウォーズにどんな影響を与えたのだろうか?
・彼女が社長だからこそできたこと
2012年にルーカスフィルムがディズニーに買収されて以来、同社の社長を務めるキャスリーン・ケネディ。元々は「E.T.」「インディ・ジョーンズ」「ジュラシック・パーク」……などなど、名だたる有名作品のプロデューサーを務めており、彼女自身8度もアカデミー賞にノミネートされている。
個人的に前々から興味があったのは「結局のところ社長は何をしているのか?」ということ。ズバリ、彼女がルーカスフィルム社長のだからこそ成し得たことはあるのか? その辺りを遠慮なく聞いてみることにした。
──キャスリーン、実は2年前にもあなたにインタビューさせていただきました。
「ええ、覚えてるわよ」
──リップサービスでも嬉しいです。その際、どうしたらルーカスフィルムに就職できるか聞いたら、あなたは「すごいスキルとすごい情熱が必要」と仰ってましたよね?
「ええ、それは今でも変わらないわ」
──な・の・で! メチャメチャ腕を磨いているので、僕がオーディションに行く日を楽しみにしていてください。
「エクセレント! ええ、楽しみにしてるわね(笑)」
──ではさっそく質問です。スター・ウォーズはあなたに何をもたらしてくれましたか? そしてあなただからこそスター・ウォーズにもたらせたことは何ですか?
「そうね……。これは私だけじゃないと思うんだけど、スター・ウォーズは私に多くの意味深い経験をもたらしてくれたわ。例えば、希望や冒険心はスター・ウォーズから得たことが多いと思う。そうね、でもやっぱり1番は希望を持つことの大切さね」
──なるほど。では逆はどうでしょう? かなり興味があります。
「私がルーカスフィルムのCEOに就任した当時は、新3部作を制作するかどうか決まっていなかったの。だから私はすぐに制作チームや脚本チームを立ち上げて、会社としての方向性を新3部作にフォーカスしていったわ」
──そうなんですね。
「それによって社内も大きく変わっていって、みんな情熱を持って取り組んでくれた。長い間、作品を作っていなかった状態だったけど、私が入ったことで “作品を作るんだ” という意欲を持った集団になったんじゃないかしら。それが私がスター・ウォーズにもたらせたことね」
──じゃあ、あなたにお礼を言わなければならないですね。
「フフフ」
──実は、私の娘は “レイ” という名前なんです。あなたがいなければレイとは名付けていなかったと思います。
「ファンタスティック!」
──でしょ? ファンタスティックでしょ?
「でも、私がレイや他のキャラクターが誕生するきっかけを作れたことについては、本当に誇りに思っているの。もし新3部作を観た人たちが、希望や前向きな気持ちを持ってくれたなら、こんなに素敵なことはないと思うわ」
・今後の展開は?
──本当ですね。感謝してます。では次の質問にいきますね。実はレイと同じくらい好きなキャラクターがいて、それはアニメにでてくるアソーカ・タノなんです。
「アソーカね。とても人気があるキャラクターだわ」
──ですよね。でも僕は彼女をもっと世界的な人気キャラにしたいんです。CEOパワーで何とかなりませんかね?
「11月にディズニープラスでドラマ “マンダロリアン” が始まったりして、アソーカはとても重要なキャラクターになったわ。今まさに社内でアソーカをどうしていこうか検討しているところなのよ。あなたいいキャラクターに目を付けたわね」
──フォースが冴えてるんです。
「フフフ。でもドラマが始まったことで、アソーカに限らず多くのキャラクターに可能性が広がったと思うわ。これまではアニメだけにしか登場しなかったキャラクターを実写化できたら、きっと多くのファンが喜んでくれるんじゃないかしら」
──それは狂喜乱舞ですよ。2人目が生まれたらアソーカにします(笑)。ちなみにあなたはどのキャラクターがお気に入りなのでしょうか?
「1つに絞るのは難しいわ。ルーク・スカイウォーカーも好きだし、ハン・ソロも好きよ。BB-8なんかのドロイドも好きだし、クリーチャーも好きなの。魅力的なキャラクターがたくさん登場するのもスター・ウォーズの魅力よね」
──そうですね。
「プリンセス・レイアも好きだし、もちろんレイも好き。ただ、そうね……。レイアは40年前に登場したキャラクターで、レイは最近のキャラクターよね? その2人が両サイドにいることは素晴らしいと思うわ」
・ルーカスフィルムに遊びに行きたい
──なるほど。では少しルーカスフィルム社について聞かせてください。
「どうぞ」
──実は少し前にルーカスフィルムに勤めている日本人CGモデラーの成田さんにお話を伺ったんですが、ルーカスフィルムの社内にはカフェテリアがあるそうですね? そこに僕を招待してもらえませんか?
「ええ、もちろんいいわよ。サンフランシスコまで来るならね」
──え! いいんですか? 本当に行きますよ?
「ええ、招待しましょう(笑)」
──僕はただカフェテリアに行くだけじゃなく、遠慮なくあなたのオフィスをノックしますよ?
「いいわ。ただ、もしかしたら私は不在かもしれないけどね(笑)」
──行くしかねえ。では最後の質問です。あなたにとって “スカイウォーカーの夜明け” はどんな作品になりましたか? もしくはどんな作品になりそうですか?
「私たちは40年以上の時間をかけてスター・ウォーズという物語を語ってきたの。スカイウォーカーの夜明けは、その幕を閉じるのにふさわしい作品になったと確信しているわ」
──ふむふむ。
「とても意味がある終わり方になっているし、深い次元で何かを感じ取れると思うの。特にずっとスター・ウォーズを観てくれているファンにとって、この作品は素晴らしい経験になるんじゃないかしら」
──期待がふくらみますね。
「ストーリーの中で問いかけがあったとしても、それに答えてくれているわ。それと、ご覧になっていただいた方が未来に希望が持てる仕上がりになっている、とだけ言っておきましょう」
──ますます楽しみになりました! 本日はありがとうございました!!
マイクロソフトの「ビル・ゲイツ」やAmazonの「ジェフ・ベゾス」の例を挙げるまでもなく、やはり世界的企業のトップは成り行きでトップに君臨しているワケではない、と再確認した次第だ。話をしてみてキャスリーン・ケネディには “剛腕” という印象を持った。人当たりは柔らかいが、剛腕、である。
少なくとも彼女が新3部作を発動させたことは事実で、今後のスター・ウォーズに多大な影響を持っていることは間違いない。2019年12月20日公開の『スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け』で一区切りついた後のスター・ウォーズからも目が離せない。
参考リンク:映画「スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け」公式サイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼予告編はこちら。
https://youtu.be/yFh16YJ0fAQ
▼第1弾「J・J・エイブラムス」監督のインタビューはこちら。