2019年12月20日、映画「スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け」が公開される。本作は単なる1映画作品にとどまらず、3部作の終わりであり、9部作の集大成でもある超大作だ。ロケットニュース24では「スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け」公開記念として、5連続インタビューをお届けする。
記念すべきトップバッターは、本作で監督を務めた「J・J・エイブラムス」だ。熱狂的なファンが多いスター・ウォーズだけにかなりの苦労があったハズだが、果たしてJ・J・エイブラムスはどんな思いで最後のスター・ウォーズと向き合っていたのだろうか?
・まさに適任
幼い頃から大のスター・ウォーズファンで、エピソード7「フォースの覚醒」では監督と脚本を務めたJ・J・エイブラムス。本作でも脚本と監督を務めていることから「スター・ウォーズはJ・J・エイブラムスの手の中で終わる」と言っても過言ではあるまい。
また、かねてからスター・トレックやミッション・イン・ポッシブルなど「全方向を納得させる作品作り」には定評があることから、“最後のスター・ウォーズ” を託すのに彼以上の適任はいないことだろう。
──まずはJ・J。最後のスター・ウォーズの監督とは、大変な仕事を引き受けてしまいましたね?
「本当だね(笑)」
──どうでしょう? ズバリ、スター・ウォーズのファンが納得できる仕上がりになっているのでしょうか?
「そうだね、いい映画になっているかどうかはファンが決めることだから何とも言えないけど、ただ僕はこの作品に携われたことを誇りに思っているんだ。キャストだけではなくスタッフ全て含めて、素晴らしい才能の持ち主たちと仕事ができたよ」
──なるほど。
「この作品は1本の映画を終わらせるわけでも、3部作を終わらせるだけでもなく9本の作品の集大成なんだ。それだけにプレッシャーもあったし、スター・ウォーズの存在感に圧倒されることもあったよ」
──でしょうね。
「ただ、周りを見回したとき、ものすごい才能の持ち主たちが集結していることに気付いたんだ。キャストたちはキャラクターを掘り下げたとても深い演技をしてくれたし、CGに関してはILM(ルーカスフィルム)史上最高の出来だと思うよ」
・気になる結末は?
──ふむふむ。
「ストーリーについてはハラハラドキドキもあれば、予測がつかない展開もある。ただ、僕はこう思っていたんだ。みんながスター・ウォーズの終わりはこうあるべきだと思えるような結末にしたい、ってね」
──それは重要ですね。スター・ウォーズにふさわしい終わり方かー。
「でも、いい作品なのか? 納得できるのか? それを決めるのはファンのみんなだよ」
──なるほど。でも今回は脚本も担当されていますよね? ぶっちゃけ、相当悩んだんじゃないですか? 僕だったら怖くて書き始められないですよ。
「そうだね。かなり時間はかかったね。ただ、さっき話した “スター・ウォーズにふさわしい終わり方” の部分については意外とパッと完成したね。僕にしては珍しいんだけど、今回悩んだのは冒頭の部分かな」
──ほう、なぜでしょう?
「終わりの終わりは比較的楽だったんだ。だって終わりだからね(笑)。でも終わりの始まりは難しかった。僕はシリーズものの映画で絶対にやっちゃいけないことがあると思っていて、それは “みんな当然知ってるよね?” というスタンスでいることなんだ」
──なるほど。
「僕はこの作品で初めてスター・ウォーズに触れる人にも楽しんでもらえる作品にしたかった。だから、この1本の作品の中でも “冒頭・中盤・結末” を描きたかったし、さらに3部作、9部作にとってもふさわしい始まりにしたかったんだ」
──む、難しすぎる……!
「でも仕上がりには満足しているよ。今はとてもハッピーな気持ちだね」
・スター・ウォーズがもたらしてくれたこと。スター・ウォーズにもたらしたこと。
──なるほどですね。では次の質問です。これはインタビューする全員に聞こうと思っているんですが、スター・ウォーズがあなたにもたらしたもの、逆にあなただからこそスター・ウォーズにもたらせたものを教えてください。
「うーん、そうだね……。僕は10歳のときからスター・ウォーズから色々なものをもらっているよ。でも1番は “どんなことでも可能なんだ” と気付かせてくれたことじゃないかな」
──ふむふむ。
「だって、ルークは農民でハン・ソロはならず者だよ? それが銀河を支配する巨大な悪に立ち向かうんだから何だってできるだろ?」
──確かに。では逆はどうですか?
「僕がスター・ウォーズにもたらせたものか……。確実に言えるのは、熱意と愛情は全力で注いだってことだね。だって僕はスター・ウォーズが大好きだから(笑)」
──非常に大切なことだと思います。
「特にファンのみんなが “こいつのことをずっと見ていたい” と思えるキャラクター作りにはエネルギーを注いだよ。キャラクターって、ただそこにいればいいワケじゃないと思うんだ」
──と言うと?
「愛してもらえるキャラクターにはエモーショナルな部分も必要だし、驚きというかギャップも必要だと思うんだ。そのキャラクターたちを予測不可能な状況に追い込むのも僕の仕事で、そういう意味では僕だからこそ彼らを絶対絶命の状況に追い込めたんじゃないかな(笑)」
・まさかの登場キャラ判明?
──なるほど。では少々質問を変えましょう。ファンの頃からでも結構ですし、監督になってからでも結構です。スター・ウォーズの中であなたが1番お気に入りのキャラクターを教えてください。
「ハン・ソロだね(即答)」
──おお、ソロですか。
「もちろんみんな好きなんだよ? でもエピソード4 “新たなる希望” でハン・ソロが登場するシーンは本当に最高だと思ってるよ」
──わかります。
「そもそもスター・ウォーズって宇宙を舞台にした壮大なストーリーだよね。そこにどこにでもいそうな小悪党、ニヒルで、シャイで、ユニークで、向こう見ずで、でも正義感が強いハン・ソロってキャラクターがいることが最高なんだ」
──それもギャップですね。今の話を聞いて「フォースの覚醒」でのハン・ソロの登場シーンが、あんなにもカッコいい理由がわかった気がします。
「それはありがとう。ちなみに君はどのキャラクターが1番好きなの?」
──僕は……アソーカですね。アソーカ・タノ。アニメにしか登場しないキャラクターで申し訳ないんですが、彼女の前向きなところが本当に好きなんです。
「へえ、アソーカか。じゃあ “スカイウォーカーの夜明け” は注意して観てみるといいかもしれないね」
──えええええええええええ!!! マジですか!!!!!
「あとは映画を観てのお楽しみだよ(笑)」
・アソーカ来るのか!?
まさかアソーカが──? 「アソーカ・タノ」とは、CGアニメーション作品「クローン・ウォーズ」に登場する女性キャラで、かつてはアナキン・スカイウォーカーのパダワンであった。その後、闇落ちしたダース・ヴェイダーと対決するなど、ファンの中ではかなりの人気を誇っている。
とはいえ、実写版「スター・ウォーズ」に登場したことはなく、アソーカはあくまでアニメキャラと思われていたが……。アナキンとの繋がりや、その後のアソーカのことを思うともうダメだ。もし「スカイウォーカーの夜明け」でアソーカの気配だけでも感じたら……涙腺崩壊待ったなしである。
またあたり前の話であるが、インタビューに際し「ストーリーについては答えられません」とのお達しを受けていた。これは日本だけではなく、世界共通ルールであり、ネタバレを防ぐためには必要不可欠な処置であろう。実際にストーリーの核心に触れる内容は、ほとんど漏れてきていない。
そんな中「アソーカが登場するかも?」という情報はおそらく世界初のスクープであり、しかもソースは監督──。空気を読まずに「アソーカ」と答えて良かったーーー! 完全にラッキーパンチだけど、よくやったぞ、俺!!
とにもかくにも、ついに、ついにスター・ウォーズが完結する。近日中に第2弾、ルーカスフィルムCEO「キャスリーン・ケネディ」のインタビューをお届けする予定だ。世界が震えること間違いなしの映画「スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け」は2019年12月20日公開される。
参考リンク:映画「スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け」公式サイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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▼予告編はこちら。マジであるのか、アソーカ。
▼これがアソーカ。てか本当に「クローン・ウォーズ」と「反乱者たち」は最高なんだよ!
▼ジェダイたちがこんなに戦っちゃうんだよ? 最高じゃない? 時系列的にはエピソード2~3の間。
▼その続編が「反乱者たち」でエピソード3~4の間が舞台。ここにもアソーカは登場する。