2019年12月20日、映画『スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け』がいよいよ公開される。日本のみならず世界中でスター・ウォーズ旋風が巻き起こる予感がする中、当サイトでは特別企画として「インタビュー5連発」をお届けしてきた。

そのトリを飾るのは、主人公のレイ役を演じる「デイジー・リドリー」だ。エピソード7からの新3部作で主役を演じ続けてきた彼女は、果たしてレイにどのような影響を与えたのだろう?

・レイが何者なのか判明する

常に新3部作の中心にい続けたレイ。エピソード8の時点で彼女が何者なのかは明かされていないが、デイジー・リドリー本人は「今作でレイの出生の秘密が判明する」と公言している。

その他、カイロ・レンとの関係やジェダイの行く末などなど、気になることは非常に多いが、まとめてデイジー・リドリーに聞いてみることにした。


──まずはデイジー、完成した作品をご覧になった率直な感想を聞かせてください。

「もう最悪だったわ……というのはウソ(笑)。想像していたより遥かにスゴイ映画になっていて、もう圧倒されたわ」

──おお、良かった。

「きっとみんなが思っているよりユーモアがあふれる作品になっていると思う。レイ役を演じるにあたってダークな部分の心構えもしていたんだけど、実際の現場では笑い声があふれていたの。そういう雰囲気も出ているんじゃないかしら」

──なるほど。

「ストーリー的にはエモーショナルで感動的だし、ビジュアルもゴージャスよ。きっと全ての人たちが少なくとも1つは何かしらの魅力を感じ取ってくれると思っているわ」

──あなたの想像を超えてきましたか?

「こういう仕事をしていると、全ての作品で “最高だった” と言えないこともあるの。でも “スカイウォーカーの夜明け” は最高よ(笑)

──ふむふむ。

「現場の雰囲気が本当に良かったから、作品を気軽な気持ちで観れたことも大きかったわ。脚本も演技も撮影も音も、現場にいたときから本当に最高だったの。だから完成した作品を観る前のプレッシャーはほとんどなかったわ」


・出生の秘密


──そうでしたか。では次に話せる範囲で映画の内容について聞かせてください。

「OK」

──本作ではレイの出生の秘密が明かされるとのことですが、脚本を初めて読んだときはどう思いましたか?

「そうね…… “本当に?” と思ったわ」

──おお。

「きっとみんなも驚くと思う。ただ、前から私が思っていたのはレイというキャラクターの出自はもちろん興味深いんだけど、もっと重要なのは彼女がいまどこにいるのか? ということなんじゃないかしら?」

──なるほど。

「彼女がどんな選択をして、どんな道を選ぶのか? どんな家族を選ぶのか? レイにとってはそっちの方が大切だと思うの。でもみんなが気になる気持ちも理解できるわ。その中心にいるのは……やっぱり楽しいかもしれないわね(笑)」

──やはり1番気になるポイントですからね。

「詳しくは言えないけど “クールだと思う” とだけ言っておきましょう」


・カイロ・レンとキャリー・フィッシャーのこと


──わかりました。次にカイロ・レンについて聞かせてください。

「絶対に聞かれると思ってた(笑)。実は今朝、J・J・エイブラムス監督に “カイロの質問をされたらどう答えればいい?”って聞いたところなの。なのでそのまま伝えるわ」

──お願いします。

「レイとカイロ・レンは光と影、つまり陰陽の関係なの。どんな光の中にも少しの影があり、逆にどんな影の中にも少しの光がある。2人はそれを象徴していて、だからこそ惹かれ合う関係なの」

──わかります。

「きっとカイロ・レンに闇落ちして欲しくなかった人も多いと思うけれど、今回の彼はさらにダークな道のりを辿るわ。それに引っ張られてレイが闇落ちするのかは……見てのお楽しみね」

──なるほど。

「アダム・ドライバーは素晴らしい俳優だし、彼と光と影の関係を演じるのはとてもエキサイティングだった。スカイウォーカーの夜明けで、さらに進化した2人が観られることだけは約束しておくわ」

──それは楽しみです。では次の質問をさせてください。本作にはキャリー・フィッシャーさんが出演されます。彼女とのエピソードがあれば教えていただけますか。

「残念だけど、彼女が私に伝えてくれた言葉は言えないわ。とても悪い言葉だから(笑)

──そうなんですね。

「エピソード7でレイとレイアが初めて出会ってハグするシーンを覚えてるかしら?」

──もちろんです。感動的なシーンでしたよね。

「そう、とてもエモーショナルなシーンだったんだけど、彼女は私の耳元で “こんなに長いF●●Kなハグは初めてだわ”って囁いていたの。とてもキャリーらしいと思わない?」


・レイとの共通点


──本当ですね。映画の内容についてはこれくらいにしておきます。次の質問はやや難しいと思うので、じっくり考えてください。

「OKよ」

──あなたはエピソード7から今作まで、3度レイを演じました。レイというキャラクターはあなたに何を与えてくれましたか? そして逆にあなただからこそレイに与えられたものはなんですか?

「本当に難しいわね(笑)。そうね……。実のところ、私とレイの境界線を区切るのは簡単じゃなくなっているの。どこからが私でどこからがレイなのか? 自分でもわからなくなるときがあるわ」

──ふむふむ。

「ただ、私はレイのように世界の運命を背負っているワケじゃないから、彼女のようなヒーローである必要はないし、いつも勇気を振り絞る必要はないわよね?」

──そうですね。

「もし私がレイに何かを与えたとするなら、たぶん “intensity(インテンシティ)” だと思うわ」


※ intensity …… 苛烈、激烈、激しさ、などの意味


──インテンシティですか。

「私は何かをするとき、いい意味でも悪い意味でも常に100%全力なの。中途半端なことはしないわ。もしかしたら私のそういう部分は、レイの性格にも影響を与えたかもしれないわね」

──なるほど。実は私はあなたにお礼が言いたかったんです。私には3歳の娘がいるんですが、名前はレイと言います。

「リアリィ!?」

──本当です。フォースの覚醒のときにお腹にいて、それでレイと名付けました。あなたがレイを演じていなかったらレイとは名付けていなかったかもしれません。

「ワーオ。アリガト(日本語で)」

──ただ、きっとレイに憧れてレイと名付けられる子供も多いと思うんです。そういうことはプレッシャーになったりしますか?

「子供の名前をレイにするなんて初めて聞いて、とても感動しているわ。でもプレッシャーは感じないかな? 確かに私はレイを演じさせてもらっているけれど、レイは脚本家や衣装さん、その他大勢の人が作り上げてくれるものだし、みんなでその美しい責任を分かち合っているから」

──美しい責任、いい言葉ですね。娘がレイのように強く優しく育ってくれることを願っています。でもレイが闇落ちしたらどうしよう?

「レイがどうなるかは……見てのお楽しみね(笑)」

結局のところ、スカイウォーカーの夜明けは「レイが何者なのか?」そして「レイはどうなるのか?」が大きな焦点になることは間違いない。いわば新三部作は「レイとスカイウォーカー家の物語」なのだ。

大変なプレッシャーもあっただろうが、レイを演じきったデイジー・リドリーもまた見事である。果たしてレイの行く末は? 映画『スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日公開だ。

参考リンク:映画「スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け」公式サイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:(C)2019 ILM and Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.堤博之 / RocketNews24.

▼予告編はこちら。

▼娘のレイにサインもらいました。