登山家がただ目の前の山を登るように、競走馬がただ全力でゴールを目指すように、ただ目の前の料理を食べ続ける男たちがいる──。そう、我々ロケットニュース24が誇る大食い専門部隊「10万円食べるもんズ」だ。過去の戦績は0勝2敗ながら、その姿に涙した人も多いに違いない。だがしかし……。

そんな「10万円食べるもんズ」に、厳しい視線を送る男がいた。彼の名前は佐藤英典(さとう ひでのり)氏、ロケットニュース24の「元祖大食いエース」である。今回、我々が国内最大級のハンバーグチェーン店「びっくりドンキー」に挑戦しようとしたところ、佐藤氏から思いがけぬ申し入れがあったのだ。

・俺たちの誇り

「10万円分食べられるのか?」というシンプルなルールにのっとり、過去にサイゼリヤスシローで激闘を繰り広げた10万円食べるもんズ。結果的に惨敗だったことはさておき、これだけは誓って言える「全員が限界まで食べ続けた」と。

そう、10万円食べるもんずに限らず、我々は過去に実施した大食い企画の際「これくらいでいいだろ」的に手を抜いたことは1度もない。ただの1度もだ。手抜きは読者への裏切りであり、そしてまた大食い精神に反する卑劣な行いだからである。

・伝説の男、登場

ただ、いま思えばそれすら甘かったのかもしれない。いつしか我々の中に「ベストを尽くせばそれでいい」という空気があったのだろう。そんな空気を機敏に察知した佐藤氏が、びっくりドンキーへ向かおうとする我々の前に立ちはだかった──。


佐藤氏「おい、お前ら。これまで黙ってたけど、どうせ10万円分は食えないと思ってるんだろ? ……そんなもんやめちまえ! たかだか10万円分すら食えないなんて、情けないと思わないのか!! だからお前らはいつまでもチンケなド3流ライターなんだよ! このダボハゼどもがッッ!!」

突然のブチギレにうろたえたものの、確かに佐藤氏の言い分には一理ある。だがしかし、我々の本職はあくまでライターであり、大食いファイターではない。実際問題として、10万円の壁はとてつもなく高いのだ。そう告げると、佐藤氏は先ほどまでの鬼の形相から一転、仏のような笑顔でこう語りかけてきた。


佐藤氏「俺もお前らが憎くて言うてるんやないんやで? 早く俺の見えとる世界を見せてやりたいだけなんや。よっしゃ、今回は俺も参加したろ。赤子のようなお前らに “勝利の味” を教えてやるよってに。ワシが参加するからには “100万ドル食べるもんズ” でもええんちゃうか? ガッハッハ!」

さすが、ワシントンポストに登場した経験を持つワールドワイドな佐藤氏である。「世界の佐藤」の異名はダテではない。また、我々にとっても豊富な経験を持つ佐藤氏の参戦は、大きなアドバンテージである。私、P.K.サンジュン、あひるねこ、K.ナガハシ、Yoshio、そして世界の佐藤の5人は「びっくりドンキー」に足を進めた。

・びっくりドンキーに勝つ方法

今回対戦する「びっくりドンキー」は、言わずと知れた国内最大級のハンバーグレストランチェーン店である。ボリューミーかつ激ウマなハンバーグが手頃な価格で味わえるとあって、当日も多くのお客さんで賑わっていた。とはいえ、実は我々には佐藤氏以外にも、とある勝算があったのだ。

それは「びっくりドンキーの価格が全国一律ではない」という事実である。びっくりドンキーは同じメニューでもエリアごとで違う価格設定を採用しており、今回決戦の舞台となったびっくりドンキーは偶然にも「最も価格の高いびっくりドンキー」であった。

10万円食べるもんズ、必勝のセオリーは「とにかくコスパが悪いものを食べ続けること」である。そういう意味で今回の店舗では「日本一コスパの悪いびっくりドンキーのメニュー」を探し当てることが可能なのだ。少々汚い戦法ではあるが、勝負とは非情なもの。びっくりドンキーの首が見えた──。

というわけで、いよいよ始まったびっくりドンキーへの挑戦。だがしかし、まさか我々の中に裏切り者、すなわち「ユダ」がいることを知る者はいなかった。そして世界の佐藤氏はどんな限界突破を見せてくれたのか? 男たちの死闘は後半へGOだ!

参考リンク:びっくりドンキー
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.