2019年2月にフランスで公開され、観客動員168万人を突破する大ヒットを記録した実写版「シティーハンター」がついに日本に上陸する。シティーハンターとはもちろん、1980年代のジャンプ黄金期を支えた北条司先生作のあの「シティーハンター」のことだ。

多くの場合、漫画の実写映画化には批判的な声が多いものだが、本作に関しては不思議なほどネガティブな意見を耳にしない。その理由は10月8日に公開された「デラックス吹替版」をご覧になっていただければ、すぐにわかるハズだ。

・名作、シティーハンター

シティーハンターの魅力を挙げたらキリがない。お茶目かつクールな主人公・冴羽獠を筆頭に、香や海坊主……などなど、まずはキャラが立ちまくっている。ストーリーもコミカルとシリアスのバランスが絶妙で、冴羽獠のギャップに撃ち抜かれた人も多いことだろう。

さらにはアニメ版の主題歌、TM NETWORKの「Get Wild」が日本音楽史に残る名曲中の名曲とくれば文句のつけようがない。多くの名作がズラリと揃う80年代ジャンプ黄金期の中でも、ことアニメ版に関して言えば「シティーハンター」は指折りの人気を誇るのではなかろうか?

ということは、である。実写映画化への反発はむしろ他の作品より大きくても不思議ではない。漫画やアニメとの違和感が大きければ大きいほど、ファンの拒絶反応が強くなるのは当然だ。……にもかかわらず、実写版「シティーハンター」への批判的な声は極めて少ない。なぜならば「異常なほど違和感がない」からだ。

・違和感ゼロすぎ

フランス人俳優「フィリップ・ラショー」演じる冴羽獠も違和感がなければ、香の100トンハンマーも違和感ゼロ。さらには海坊主もそのまんま海坊主である。また吹き替え版の冴羽獠は、アニメ版の神谷明が辞退したことを受け、山ちゃんこと山寺宏一さんが務めているのだが、これも違和感ナッシング。これは……スゴイ。

なお、山寺宏一さんは冴羽獠役を務めるにあたり、以下のように語っている。


「僕を育ててくれた作品ですし、アニメシリーズの現場で神谷さんが演じているのをそばで見てきました。とにかく憧れて、収録後、家に帰って神谷さんが演じる獠の真似をしていたほど。(神谷明さんが辞退され)他の人がやるなら……とご依頼を受けました」


これほど違和感がない漫画作品の実写映画化は珍しく、ネットユーザーからも「ハマりすぎててヤバい」「びっくりするくらい自然」「なんだこのナチュラルさ」……などと、逆に戸惑いの声が上がっている。

というわけで、実写版「シティーハンター」を観ない理由に「違和感があるから」は当てはまらない。映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』は、11月29日に公開だ。

参考リンク:シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Ⓒ AXEL FILMS PRODUCTION – BAF PROD – M6 FILMS

▼実写版やべえ! 声も違和感なくてすげえ!! ちなみに主演のフィリップ・ラショーは監督も務めている。どんだけ好きなんだよ!