驚きに満ちた発見は、思いのほか身近に潜んでいるものだ。今回のテーマは、相変わらず人気なタピオカである。
先日スーパーで、低カロリーをウリにするパチモノっぽいタピオカを発見した。面白そうなのでタピオカとして売られているタピオカとの違いを明らかにしようとしたところ、予想外すぎる展開の果てに、ちょっとした知見を得たので紹介するぞ!
・タピオカ風マンナン
スーパーで出会ったイミテーションタピオカの名は「タピオカ風マンナン」という。マンナンとはコンニャクの主成分。つまり、コンニャクを使ってタピオカっぽいものを作ったという感じだ。
とはいえ完全にコンニャクなわけではない。「タピオカ風マンナン」の成分は
「こんにゃく精粉」&「タピオカでんぷん」
皆さんご存知の通り、タピオカは高カロリー。中にはカロリーを気にして思うままタピれていない方もいるだろう。そこに商機を見出したメーカーが、タピオカを低カロリーなこんにゃくで代用。合計でのカロリーが低くなることをウリにぶっ込んできた的な、そんなストーリーを感じる代物だ。
当初の目的は、「タピオカ風マンナン」とタピオカとの違い。先に結論を述べると、「タピオカ風マンナン」は名前の通りタピオカではなくマンナンであるが……しかしタピオカだったのだ……! 何を言っているのかわからないと思うが、まあそういうことなのだ。この結論に至った経緯は以下の通り。
・コンビニのタピオカ
比較対象として用意したタピオカは、ローソンで買ってきた「タピオカマンゴージャスミンティー」のタピオカ。タピオカとして売られているタピオカなら何でもいいので、全く無作為に選んだものだ。というか、近所のローソンにはこれしかタピオカが無かった。
こうして検証は始まった。あんな展開が待っているとも知らずに……。
まずは両者のサイズを比較したところ、マンナンにはバラ付きがあるものの、ローソンは大体同じことを確認。
次に、断面を比較。何でも断面をチェックしないと夜しか眠れないタイプなのだ。
……と、ここでちょっとした違和感に手が止まる。両者があまりに似すぎている……。成分に大きな違いがあるなら、見た目とか、ピンセットでつまんだときの感覚とか、その辺に多少なりとも違いが出ても良さそうなもの。
しかし全く区別がつかない。もちろん目視での観測なので、正確性はかなり低い。しかし今回はそういうレベルではない。これはまるで、全く同じではないか……。まさか……!?
目的が吹っ飛びかねない「ある可能性」が脳裏をよぎる。こいつはヤバいのでは……と急遽(きゅうきょ)観測を中断。タピオカ抽出後は用済みとばかりに中身を飲み干し、ゴミ箱にブチ込んでいたローソンの「タピオカマンゴージャスミンティー」をふたたび拾い上げる。
そして成分をチェックすると……
「こんにゃく精粉」&「タピオカでんぷん」
危惧していた可能性が、現実のものとなってしまった。なんということだ、ローソンのタピオカと「タピオカ風マンナン」は、ほぼ同一の存在だったのだ……! かろうじて寒天が入っている点が違うが、ぶっちゃけあってないようなものだろう。
なにせ見た目も触った感触も匂いも何もかも一緒。違いは食べても検知できない。「タピオカ風マンナン」はタピオカとして売られているものとほぼ同一であり、タピオカとして売られているものもまた「タピオカ風マンナン」とほぼ同一であったのだ。
汝がタピオカを摂取するとき、「タピオカ風マンナン」をもまた汝は摂取している。そしてその逆も然り。
もちろん常にこの通りではないだろう。世の中にはキャッサバ率の高いゴキゲンなタピオカや、イカスミが配合されたオーシャンなタピオカの存在が確認されている。しかしマーケットには、タピオカ純度についてのレギュレーションは無いため全て「タピオカ」なのだ。無法地帯じゃないか。
もしかしたら、タピオカ人気を牽引する若い女性などからすれば常識なのかもしれない。しかし、まともにタピった日々がかれこれ10年以上前な筆者からすれば全くの想定外……。実のところ、この辺の認識について皆さんがどうなのか、気になるところではある。
・色々ぶち込んでみた
当初の目的は破綻したものの、「タピオカ風マンナン」が市場的にまごうことなきタピオカであるならば、ここは一つ開き直ることにしよう。せっかく手元にまとまった量のタピオカ(風マンナン)があるのだ。
ということで、「午後の紅茶 ミルクティー」にブチ込んでタピオカミルクティーにしてみたり……
そもそもタピオカは高カロリー。そしてカロリーもまたエナジー。体がタピオカを欲するのは、実はエナジーを欲しているからな可能性もある。という解釈から、エナドリにタピオカをぶち込めばよりエナれるのでは……とのことで、モンスターエナジーにタピオカをチャージ。
エナジータピオカにしてみたり
・低純度タピオカの氾濫
ここでようやくこんにゃく精粉入りのタピオカを食べてみたのだが、何かモチモチ感が皆無で微妙。このあっさりと噛み切れてしまう感じは、明らかにこんにゃく由来。こんにゃく独特のスメルがしないのはキャッサバ分で薄められているからだろう。
筆者の記憶にあるタピオカは、タピオカという名前で売られているものではなく「Boba Tea」という。中身は一緒なのだが、アメリカで90年代ごろから広まりはじめたものだ。元は台湾から渡米してきたものとのことで、今日本で流行っているものと同じだろう。
あれらのキャッサバ純度がいかなるものか知るすべは無いが、明らかに食感が違う。もっとこう、モチモチしていて、噛んだらクッチャクッチャしていた記憶がある。
キャッサバの純度が高まれば高まるほど、それはすなわちデンプン率が高まることを意味する。あのモチモチ感はデンプン由来に違いないが、きっとかつて食べていたタピオカは純度高めだったのだろう。
個人的にこんにゃく入りのタピオカは、イマイチ好きになれない。まあ低カロリーなのだろうけど。ということで、「タピオカ風マンナン」とタピオカとの違いという当初のテーマに関しては、タピオカとして売られているものにもこんにゃくが入っていたため吹っ飛んだのはご覧の通り。
しかし、こんにゃく入りのタピオカは、たとえタピオカであってもモチモチ感が皆無ということがわかった。コンビニで売られているタピオカの全てがこんにゃく入りなのかはわからない。しかしコンビニですらこうなのだ。世の中には低純度タピオカがそこそこ浸透しているに違いない。
こんにゃく入りタピオカでハッピーになれた人は、成分をチェックしてキャッサバ純度高めなタピオカでタピってみることをお勧めする。モチモチで、噛んでも歯を押し返してくる感じこそが純度高めなタピオカの特長だ! タピオカにしたって、ほかのモノにしたって、純度は高い方がイイにキマっているだろ?
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼ぶっちゃけウマくないけど、エナジーとカロリーの摂取率は盛れてそうなエナタピ。夏のデブ活におススメ♪ 純度100%のタピオカを使えばもっと高カロリーで、ハート(の血管)や脳(の血管)にギュンギュンくるハズ!
▼このときはまだ、タピオカというのは全て純度100%だと思っていた。タピオカ界において、まさかキャッサバ純度についてのレギュレーションが無いとは……。
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