夏が来る度に、私(佐藤)は幼少の頃に見た景色を思い出す。それは、志村けん師匠のスイカの早食いだ。くし形にカットしたスイカを、 “秒” で平らげる様は子ども心に衝撃を受けた。いつの日か、ああいう立派な大人になりたい。しかし気が付けば45歳になっていた……。
実はあのスイカの早食いにはヒミツがあると、成人してから知った。中をくりぬいた、いわゆる「ドリフカット」だからこそ、驚異的な早さで食べることができるらしいのだが、はたしてそれは本当か? 実際に挑戦してみた!
・まずは通常の早食い
早食い検証するために、東京・伊勢丹新宿店で、1切れ648円のちょっといいスイカを2切れ用意した。1切れは通常の早食い用。もう1切れはドリフカット用である。
準備もへったくれもない。さっそく早食いスタート! 勢いだけでスイカに食らいつく!!
ドラーーーーーーッ! 口に頬張れるだけ頬張って、口に果肉を押し込んだところ……息が詰まる、果汁が口からあふれ出すばかりで飲み込めない……。
辛くも、吹き出すことなく、種も含めてすべてを飲み込んで何とか完食。その時間、約2分40秒。とてもじゃないが、志村師匠のように、秒殺とはいかない。
・中をくりぬいて「ドリフカット」
ここからが本題だ。もう1切れは中をくりぬく。
くりぬく際に、てっぺんの部分まで削ってしまうと、くりぬいているのがバレるので、てっぺん部分を残すようにする。
壁一枚を残して、ひと通りくりぬいたらドリフカットの完成だ。だが、どのていど壁を残すのが良いか分からなかったので、都合1センチ程度の厚みを残している。
ヨシ! 片側から見たら普通のスイカの1切れ。しかし実際は中がくりぬいてあり、ずいぶん食べやすくなっている。
・ドリフカットで早食い
勢いよく食らいつけば、壁が内部崩落して、一気に食った感じが出せるはず! じゃあ行くぞ、いただきま~す!!
思った通り、初速はバツグン! 先ほどの通常版早食いとは比べものにならないほど、スイカを早食いしているように見える。このまま瞬く間に食い終わるのかと思ったら!?
また口のなかがいっぱいになって飲み込めない! どうなってんだ!? どうやったら口のなかのスイカを軽く飲み干すほとが出来るんだ? スイカの中をくりぬいたとしても、口の中の果肉を瞬時に飲み込めなければ、いくら果肉を削っても意味がない!
結局1分短縮することに成功はしたものの、秒速で平らげるには至らず……。どうやったら あんなに早く食えるのか? ドリフカットの問題ではないのではないか?
この挑戦で、志村師匠の芸のヒミツに1歩近づけると思ったのに、実際は遠ざかった気さえする。恐るべし、志村けん! さすがは日本を代表するコメディアンである。
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24