2016年が明けてから、芸能界が騒々しい。ベッキー不倫問題から始まり、北川景子&DAIGOの結婚報告、そしてここへ来て日本を代表するスーパーアイドルグループ『SMAP解散問題』が浮上したのだ。

詳しい経緯については割愛するが、万が一SMAPが解散した場合、ファンが最も気になるのは「今と同じように活動できるのか?」に尽きるだろう。極論すれば「ジャニーズ事務所から独立したら干されてしまうのでは?」ということである。

・現役テレビ業界人に聞いてみた

そもそも芸能界に「干す・干さない」はあるのだろうか? その存在は曖昧でファンからすればある意味での都市伝説ともいえる。今回はその実態は把握すべく、テレビ業界で活躍する現役業界人に、匿名という約束でインタビューできたのでお知らせしたい。

筆者:「そもそも論なんですが、テレビ業界に干す干さないってあるんでしょうか?」

業界人:「結論からいうとあるね。でも一般の人が思っているような複雑なものじゃなくて、意外とシンプルなことなんだけどね」

筆者:「というと?」

業界人:「例えば今回のように独立する側と独立される側、テレビを制作する上で、どっちの方が無くなって困るかって話なんだよね」

筆者:「なるほど。例えば今まで干された芸能人っているんでしょうか?」

業界人:「テレビ業界ではないんだけど、今回の件と似てるのはWANDS(ワンズ)かな? 俺はその頃まだこの業界にはいなかったから聞いた話だけどね」

筆者:「そういえば、一時期からパッタリと出なくなりましたもんね」

業界人:「そう。彼らはミリオンヒットも連発してたし実力もあった。間違いなく、将来のA社(当時所属していた事務所)を背負って立つ存在だと思われていたらしいんだけど、音楽の方向性の違いから強引に事務所を独立してしまった」

筆者:「で、どうなったんですか?」

業界人:「それはご覧の通りで、テレビを含むメディアには一切出られなくなってしまったよね

筆者:「それはA社が干したということになるんですか?」

業界人:「A社からすれば、手塩にかけたアーティストが続々と独立されちゃ困るし、前例ができるのが一番怖いからね。WANDSも売れていたけど、『WANDSとWANDS以外のうち所属全アーティスト、どっちを取りますか?』って各方面に迫ったらしいんだ」

筆者:「おっかないですね。その結果、みんなA社を取ったと?」

業界人:「A社にはWANDS以上の大物歌手もいたし、ヒットメーカーが大勢いた。総合的に判断した場合、どちらが使えなくなって困るかは明白だったから、表舞台からWANDSは姿を消してしまったよね」

筆者:「なるほど……。では今回のSMAPの場合だとどうなるんでしょうか?」

業界人:「田原俊彦や光GENJIを見るまでもなく、ジャニーズが独立に厳しいのは有名な話。ただ今回も話はシンプルで、『SMAPとSMAP以外の全ジャニーズタレント、どっちがいなくなったらテレビ制作に困るか?』って話なんだ」

筆者:「実際どうなんですかね?」

業界人:「これは難しいけど、番組レベルで済むのか、それとも局レベルで選択を迫られるのかの問題もあるから何とも言えないなー」

筆者:「うーん、なるほど。確かにジャニーズ抜きのテレビ局って現実的ではないですもんね」

業界人:「そうだね。ただ、万が一SMAPが独立した場合、今まではご法度だった恋愛ネタなんかにも手が出せるだろうから、そういう意味では面白いよね。

それとジャニーズ自体も昔に比べれば、その辺り寛大になってる気もするしね。好き勝手やった “赤西仁” あたりだってジャニーズが本気になれば潰せるだろうけど、現実はそうなってない。

ましてや、SMAPがジャニーズ事務所に多大な功労があることは国民レベルで知られていることだから、意外と寛容かもしれないし。もしかしたら、今後のジャニーズタレントが独立する際のモデルになるかもしれないよ。わからないけどね」

──とのことであった。

結論からいうと、業界に「干す・干さない」はあるらしい。ただその実態は、意外とシンプルな構造であることが判明した。お茶の間の顔である彼らだからこそファンは心配だと思うが、現段階では今後の推移を見守るしかなさそうだ。

参照元:日刊スポーツ
Report:P.K.サンジュン
イラスト:稲葉翔子