
日本だと食用というより単純に「田んぼ」のイメージが強いザリガニは、中国人の大好物らしい。5〜9月頃がシーズンで、現在街の飲食店では真っ赤なザリガニが大量陳列されている。「とりあえず食っとけ」とばかりに、老いも若きもバリバリ食べておる。異国を感じるなァ。
無類の甲殻類好きとして売り出し中の私は以前、スーパーにて「冷凍ザリガニ」を高値で購入した。結果は正直なところ「クサくて食えたもんじゃねぇ」と思ったが、本物を知らずしてザリガニを語るべからず、である。今回ザリガニリベンジを固く誓って中国へ乗り込んだのだ。
すると……さすがは本場。ホテル近くのローソンに「ザリガニチャーハン弁当」なるものが売られているではないか! さっそく購入してみた。
・ザリガニ……ですよね?
弁当は18.9元(約300円)とお手頃だ。パッケージにはザリガニの身がふんだんに乗っかったチャーハンと、これから食われるザリガニを模したキャラクターの画像がプリントされている。レジでは日本と同様に弁当をチンしてくれ、とってもおいしそうな匂いが!
フタを開けると……
ザリガニちっちゃ!
「こんな極小ザリガニがいるなら逆に見てみたい」と思わせるほど小さい剥き身が、申し訳なさそうにチャーハンに乗っかっている。味は「ザリガニかもしれないし、エビかもしれないけど、どっちでもいっか」といった感じ。とにかく小さすぎてよく分からなかった。
数えてみると7匹のザリガニを確認できた。弁当1つに含まれる命の数としては多いが……もうちょっとザリガニの成長を待つことはできなかったのだろうか?
味は……うん、冷凍ピラフだな。普通にピラフが食べたい人にはオススメだ。
・気を取り直して……
「ザリガニリベンジならず」と中国人の友人に泣きついたら、いきつけだというザリガニ屋『万家龙虾』へ連れて行ってくれた。中国語でザリガニは「小龙虾」。上海中心部からは少し遠いが、地元民がわざわざ車で通う名店だそうだ。最初からこうしておけばよかったよ!
店先では生きた大量のザリガニが、無造作に入れられた桶の中でうごめいている。上海にザリガニ屋は数あれど、このスタイルは多くないらしい。
注文すると、お店の人がザリガニをキュッとシメてくれる。その際、キロ単位で告げるのがスタンダードだそうだ。「1.5キロ注文すると0.5キロオマケ」とか色々細かいルールがあるが、カタコト英語程度で理解するのは難しい。チマチマせずに最初から大量注文しておけばいいだろう。
ちなみにこの日は、2人(普通サイズの胃袋所有)で5キロを平らげて腹八分目という具合だった。料金は調理方法によるが、1キロあたり100元(約1570円)ほど。参考になれば幸いである。
今回は1皿1キロで、5パターンの味を注文。オススメはニンニクをタップリ効かせた炒め煮だ。
・お腹を壊しても本望なウマさ
元々が赤色をしているザリガニは、調理後も見た目にほぼ変化ない。エビと比べると頭が胴体よりデカイため、身が少ないのかと思いきや……中国人いわく「頭が主役で身はオマケ」とのこと。手袋をはめ深呼吸の後、カッと頭をひっぺがす!
ミ、ミソーーー!!
ザリガニの頭の中には、見るからに濃厚なミソがギッチリと詰まっている。食べてみると濃厚すぎて、これはもはやミソというよりウニだ! 私は怖くなった……もうカニミソなんかじゃ満足できない体になってしまったかもしれない。
身はエビよりも歯ごたえがあってブリッブリ。濃厚とブリブリの合わせ技……これはアレだ……そう、伊勢エビにそっくりである。
難をいえば殻が固くて少々食べづらいが、食べたい気持ちが強すぎてあまり気にならない。夢中で殻をむいては口に運ぶ私と友人。気づけばお互いに無言。満席の店内が妙に静かなのも納得だ。
人の何倍も甲殻類を食べてきた私の「絶品甲殻類ランキング」において、今回のザリガニは堂々のトップ3! ……いや、コスパという点を加味すると、おそらく1位の実力を有していたことは間違いない。
メンドくさいけど殻をむけば爪の先まで身がギッシリだ。友人に聞いたところ、養殖とはいえザリガニ食はまれにお腹を壊すことがあるのだという。しかしそんなのは、私からしたら大した問題じゃないね! これが味わえるのならお腹のひとつやふたつ、喜んで壊そうというものだ。
惜しむらくは、日本で簡単に食べられないことである。私は帰国後もザリガニが忘れられず「田んぼに捕まえに行こうか」と真剣に考える日々を送っている。日本でもヒット間違いなしの食材だと思うのだが……起業を考えている方、おられたら是非養殖を!
・今回ご紹介した施設の詳細データ
施設名 万家龙虾店
住所 中華人民共和国 上海市 浦東新区 台儿庄路636号
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
▼外国でローソンを見つけるとホッとする
▼慣れた様子で手袋にティッシュを仕込む友人
▼実はメチャ熱いザリガニ料理。こうすれば持ちやすいらしい
▼戦いのあと……テーブルはギットギトのベッタベタ!
▼いくらでもいける
▼お店の方に許可いただきました
亀沢郁奈




















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