マグロ・あわび・ウニなどと並び、海の高級食材として知られる伊勢海老。記者のような一般市民は1年1回くらい口に出来ればいい方で、基本的には滅多に口にすることはない。というか、伊勢海老がどこで売っているかわからないし、捌(さば)くのだって難しいハズだ。だがしかし……。

なんとプラモデルのように組み立てられる「伊勢海老キット」が発売され、一部でメチャメチャ売れているらしい。プラモデルのような……伊勢海老? でも中身は本物の伊勢海老だって……? かなり複雑なこの謎商品、果たしてどんなものだろうか?

・中身は殻も身も本物

静岡県浜松中央卸市場で仲卸業を営む(株)海商が発表した伊勢海老キット。正式名は「対ひとり晩酌用イセエビ」である。日常生活で食べる機会が少ない伊勢海老を一人で組み立て食べる大人の一品だというが、なぜプラモ型になったのだろう?

整理しておくとこの商品、頭と尻尾の殻は加熱した状態の本物であり、身も冷凍された本物である。プラモデルの要素は箱と “組み立てる” という作業だけなので「プラモデルの箱に入った伊勢海老」と考えるといいハズだ。

それにしてもなぜこんな商品が開発されたのか? 販売ページを覗いてみると同商品は既に完売している……。そこで担当者に電話し、色々と聞いてみることにした。


──そもそも、なぜこの商品を開発したのでしょうか?

「ターゲットが20~30代の男性だったので、その方たちに親しみやすい形を考えていたらプラモデル型に落ち着きました」

──なるほど、反対意見などはありませんでしたか?

「元々は真面目な仲卸業なので “仲卸業がふざけるのはいかがなものか?” という意見はありました。それでも何とか調整して販売までこぎつけた商品です」

──ホームページを見たら完売してますね。

「おかげさまで評判は上々です。初回納品分はすべて完売し、次回分をどうしようか社内で検討しているところです」

──そうですか。確かにこれなら高級な伊勢海老でも取っ付きやすいですね。

「ありがとうございます。これを機に伊勢海老に親しんでいただけたら嬉しいです」


以前の記事で「伊勢海老を食べてみたい」という後輩に野生のザリガニをご馳走した話を紹介した通り、伊勢海老はかなりハードルが高い。初回分は完売とのことだが、興味がある人はホームページをマークしておくのもいいハズだ。

参考リンク:KAISHO
Report:P.K.サンジュン

▼初回分は完売している。