カエルを食べ物と考えたとき、ここ日本では少なからず「ゲテモノ」と捉える風潮がある。「俺カエル全然平気!」と言っている時点で、すでに他の動物と区別しているわけだ。牛や豚と同じ「肉」であると理屈で分かっても、同じ気持ちで食すことはなかなか難しい。

かといって「カエルなんて食べられない」と言い切るのはいかがなものだろう。カエル肉はクセが少なく非常に食べやすい。「カエルの味が無理」という理屈もまた通りづらいからだ。う〜ん、命を奪っといてゲテモノ扱いするのって、なんだかイケナイことのような気がしちゃうんだよね……。

そんなカエル食が、中国の若者の間で最近ブームになっていると、中国の友人が教えてくれた。たしかに中国のショッピングモールへ行けば、ずいぶんオシャレなカエル屋をよく目にする。様々なビックリ食文化を持つ中国人にとっては、カエルなんてきっとカニカマ感覚であるに違いない。

・ポップなカエル屋がデートに人気

中国全土で店舗を増やし続けているカエル専門チェーン店の『蛙来哒(WALAIDA)』へ行ってみた。「蛙来哒(わーらいだー)」とは中国語で「カエルが来るぞ」という意味だそうだ。わぁ〜ぃカエルが来るぞ! うん。とってもポップでかわいらしい。

カエルグッズやアートで埋め尽くされた店内は蛍光ライトに照らされ、さながらナイトクラブのようである。満員の客はそのほとんどが若者だ。カップルの姿が多数。

オシャレなダンスミュージックに身を委ねながらカエルをつつく……。なんだか自分が流行の最先端にいる気がしてきた。

・鉄板焼きがスタンダード

鉄板のような鍋で煮焼きにする食べ方が基本であるらしい。鍋のタイプと味、付け合わせの野菜などを選んでカスタムするシステムだ。通い慣れている友人に今回セレクトしてもらったのは、辛めのスープにレンコン、インゲン、ピーマンなどをトッピングしたもの。

お会計は2人で180元(約2830円)とお手頃だ。パッと見でカエルとはなかなか判別がつきづらいビジュアルである。しかしよく見てみると……

よく見てもやっぱり分からない部位や……

言われてみればカエルかもしれない部位に……

どう見てもカエルな部位……

「キャッ! これ手じゃない!?」となる部位など、カエルの全身を余すことなく楽しめる。


「トリ肉っぽい」と表現されることの多いカエル肉は、鶏と比べると弾力があって部位ごとに味の変化が楽しめる。養殖なのは百も承知だが、カエルが沼から沼へ力強くジャンプする光景が目に浮かぶようだ。ピリ辛スープとよく合い、個人的にはトリ肉より断然ウマイ

適度に脂をまとったカエル肉は見るからに「コラーゲンが豊富!」という雰囲気である。実際のところ、カエルの脂肪は美容に効果があると人気なのだそうだ。女子こそ積極的に摂取すべき食材であることは間違いないぞ、女子たち!

食べ終えた骨を組み合わせればカエルの標本ができるかも?

・カエルの正しい食し方

この店をはじめ広く食用とされているカエルは「ウシガエル」だそうだ。中国人いわく「ウシガエルは愛嬌がある」らしい。中国の市場へ行けば、主に魚屋で生きたまま販売されている。

他人が調理したカエルは食べられても、生きている姿を見れば思わず「ヒッ……」と声が出る。しかし友人に問いかければ、「中国人だってキモいと思っているよ」と反論された。

友人によれば中国でも「キモいキモい無理! 絶対無理! ……あっ、でもおいしいかも……」という一連の流れの上に成り立つカエル食だとのこと。「それが楽しいんじゃん」という友人。なんだ日本と同じじゃないか。

確かに初デートで会話が続かないカップル、はたまた話題の枯渇したご夫婦にとって、カエル食は絶好のコミュニケーションチャンスに他ならない。そう考えればこれは「おいしさ」「楽しさ」「スリル」が同時に楽しめる最高のグルメであるといえる。ゲテモノ上等ではないか。


と、いうことで私は「キモいヤバい」と言いながらお腹いっぱいカエルを食した。これぞ正しいカエルの食べ方……いや楽しみ方。命への賛辞に他ならないのではないでしょうか。

日本でもカエルブームは近いかも?

・今回ご紹介したお店の詳細データ

施設名 蛙来哒(长宁龙之梦店)
住所 上海市长宁区 长宁路1018号龙之梦购物中心8楼
住所 10:00〜15:00・17:00〜21:00

Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼どこまでもぬかりなくカエルづくし

▼店員さんのエプロンには日本語で「蛙の良品」とある