我々にとって最も身近な楽器の1つであるリコーダー。日本の学校教材に選ばれているので、小中学校の音楽の授業で慣れ親しんでいる人も多いはずだ。もちろん、私(中澤)もその1人。休み時間とかに、適当に指をバタつかせて「速吹きー!」とか言ってるヤツいたなあ。

そんな小中学生のおふざけと思っていた「速吹き」をプロのリコーダー奏者がやると凄かった。もはや別の楽器みたいになっている。

・プロの速吹き

ところで、あなたはプロの吹くリコーダーを聞いたことがあるだろうか? その認知度から考えると、プロの演奏を聞く機会が驚くほど少ないのがリコーダーという楽器ではないかと思う

動画「Antonio Vivaldi: Recorder Concerto RV 443 / Maurice Steger, Cappella Gabetta」では、そんなガチのリコーダー奏者の速吹きを見ることができる。演奏している曲はヴィヴァルディの『リコーダー協奏曲ハ長調 RV 443』だ。

・リコーダー界のパガニーニ

演奏するのは、その超絶技巧から「リコーダー界のパガニーニ」と呼ばれているというモーリス・シュテーガーさん。弦楽器や鍵盤が舞踏会のようなイントロを奏でた後、モーリスさんがメインパートを吹き始めるのだが……速っ

あまりの速度にちょっと笑ってしまう。だが凄いのは、それだけの速さにもかかわらず、1音1音の輪郭がとてもクリアに響いていること。その音色は心に響くようで心地いい。私の知ってるリコーダーと違う。タンギングが速すぎてまるで鳥の鳴き声みたいだ

見終わる頃には、人間の可能性を考えてしまうこの動画。リコーダーの深さを少しだけ覗いた気分になった。小学生の頃に見たら、音楽の授業もっと楽しめたかも。

参照元:YouTube
執筆:中澤星児

▼鬼のタンギング