最近、役所を見つけると、用事が無くても寄りたくなってしまう。控えめ・おとなしめな外観からは想像できない「コスパ最強の食堂」が隠れている可能性があるからだ。安くてボリュームがある上に、けっこう美味しい “役所メシ” を見逃すわけにはいかない。

つい先日も、そんな嬉しいサプライズを期待して神奈川県の横浜市庁舎へ。横浜市庁舎の場所は「横浜スタジアム」の目の前。存在自体は知っていたが、これまでなかなか行く機会はなく、今回が初めての訪問である。まさか地下に老舗の名店が隠れていたとは……

・第三食堂 レストランかをり

役所に入ってすぐ、横浜市会棟入口横に「食堂」と書かれた案内看板を発見した。その名は「第三食堂 かをり」。横浜で「かをり」といえば、横浜国立大学出身の眞鍋かをりさん……も有名だが、こちらはフランス料理 & 洋菓子の老舗「横浜かをり」のことである。レーズンサンドが超有名だから、ご存知の方も多いだろう。

ちなみに「かをり」の本店は “洋食文化発祥の地” とされる横浜市中区の山下町70番地にある。現在レストランは休業中とのことなので、老舗の洋食を味わえる貴重な食堂が役所内にあるということだ。この穴場感がたまらん。薄暗い階段を下って地下階へ。


いやしかし、当然といえば当然なのだが、なんとも役所的な雰囲気だな。殺風景極まりない。食品サンプルの並んだショーケースが「理科室の標本」さながらである。

・人気メニューを注文

さて、注文とお会計は入口レジで先に済ませるスタイル。数量限定の日替わりランチ(650円)は、すでに売り切れ。筆者は店員さんオススメの人気メニュー「オムハヤシ(650円)」を注文した。ちなみに入口横では「レーズンサンドの詰め合わせギフト」も販売しているようだ。

・ふわとろオムハヤシの登場

受け取った食券2枚のうち、1枚を渡してテーブルで待機。ってか、気づいてしまった……。厨房で調理をするのは、いわゆる “食堂のおばちゃん” ではなく “やたらと長いコック帽をかぶるシェフ” じゃないか! マジかよ、急にドキドキしてきたぞ。と、思ったその時!


「お待たせしました~」

こ、こ、これは……!

おそろしく本格的ッ!

・横浜の名店の味

食品サンプルの時点では650円が妥当だと思っていたが、やって来たのは「やっぱり1000円になります」と言われても「ですよね」と即答できるビジュアルの本格オムハヤシ。サラダ・スープ付きで650円はナイスだ。


さっそく食べてみると……ほほ~美味しい。卵のふわとろ感がえげつないな。ルウはコクのある味わいだが、見た目よりもさらっと食べられる。おそらく女性でも一皿ペロリと食べられるだろう。よく食べる男性なら、プラス80円の大盛りがオススメかも。歴史ある名店の味を気軽に楽しめるのは良い。実に良いぞ。

完食後に食堂を出ると、そこはやはり薄暗い庁舎内。おそらく知らなければ、地下の一角にある「コスパ最高の第三食堂」の存在に気がつかず、スルーしてしまうだろう。横浜市民の方はもちろんだが、観光で近くに訪れる機会があれば「レーズンサンド」と併せてチェックしてみてはいかがだろうか。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 横浜市庁舎 第三食堂 レストランかをり
住所 神奈川県横浜市中区港町1-1 横浜市庁舎B1F
時間 11:00~14:00(喫茶は15時・お土産の販売は16時まで)
休日 市庁舎開館日に準ずる

参考リンク:横浜かをり横浜市庁舎第三食堂
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼「第三食堂かをり」の場所は「横浜市会棟」の地下1階だ!

日本、〒231-0017 神奈川県横浜市中区港町1丁目1