女性ライターとして生まれたからには女性っぽい記事を書いて、世の女性たちの共感を得るなどしたい……と常に願っているのだ。
しかし困ったことに私はコスメも美容もジャニーズも全然詳しくないのである。だから手はじめに女子が大好きなタピオカティーを飲みに行ってきたよ! いや、もちろんタピオカも全く詳しくないけど、でも飲んだ感想は言えると思うんだ。
女性が集まる街といえば思いつくのが恵比寿、渋谷、表参道、下北沢、吉祥寺あたり。私はタピオカ素人だけど、とりあえず全部回っとけばレポートすることくらい許されるだろう。はたしてタピオカナンバーワンの栄光はどの街に……?
・タピオカ飲んだことないけど……
あいにくの雨のなか、スタートの恵比寿だけは友人に勧められた『ジ・アレイ ルージャオシャン』というお店に目星をつけていた。鹿の看板が目印のオシャレなたたずまいである。休日などは大行列ができることもあるそうだが、この日は雨のせいか行列なし。
タピオカドリンクにこんな多彩なバリエーションがあったことに困惑するも、この日の目的は飲み比べであるため「スタンダードタピオカミルクティー」の「ホット」を基準とすることに急遽決めた。各店で「甘さは?」「熱さは?」など好みを色々きかれたが「普通」の一言で全て乗り切ったよ!
カップ片手に店の前で画像を撮ってみたら非常に恥ずかしかった。この恥ずかしさを乗り越えた人間がインスタのフォロワーを獲得するのだと思う。
ここの看板メニュー『アッサムタピオカミルクティー』はミルクティーにタピオカが入っているというシロモノだ。おいしい。タピオカドリンクを飲むのは初めてだったが、まさに想像どおりの味である。
「センター街に行っときゃいいだろう」とタカをくくって、お次は渋谷へ向かう。
しかしセンター街へ着いたところで、おもむろに「タピオカ 渋谷」と検索してみると……
あれっ……さっき行った『ジ・アレイ ルージャオシャン』が渋谷にもあるっぽいんですけど……。
上位表示された『CoCo都可』『ゴンチャ』なども、明らかにどこか別の街でも見たことのある名前だ。『ジ・アレイ ルージャオシャン』はオシャレすぎる店名と内装だったため、チェーン店じゃないと私は勝手に判断していた。しかし、実は全国に17店舗も展開する店だったようである……!
どうやらタピオカティーは私の予想より全然流行っていたらしい。よく見るとあちこちに「タピオカ」の看板が出ている。しかし誰もが知っているチェーン店をめぐったところで、世の女性たちに「今さら?」とか言われてしまうかもしれない。
ということで、ここからは知り合いに聞きまくるなどし、何とか都内で1軒のみ、もしくは店舗数の少ないタピオカ店を探して巡ってみた。
・どこも1杯500円前後
渋谷でようやく見つけたのは『Piyanee(ピヤニ)』というタイティーの専門店。
飲んでみると特にパクチーの味などがするわけではなく、ミルクティーにタピオカが入っているというシロモノだった。おいしい。さっきよりタピオカが大きい。
つづいて表参道は、台湾から上陸した『春水堂』。こちらは都内に数店舗あるが「タピオカミルクティー発祥の店」ということらしいので押さえておくことに。
店内は広くフードメニューも充実しているためか、この日訪れた5店舗中で唯一の行列ができていた。ちなみに偶然かもしれないが、店内にいた客の半数以上が中国語を話していた気がする。日本人が海外旅行先で吉野家へ入ってしまうような感覚だろうか……?
元祖タピオカミルクティーはミルクティーにタピオカが入っているというシロモノだった。お茶の味が濃くておいしい。
・食事なみの腹もち
私が威勢よくタピオカを噛んでいたのは2杯目の途中までで、3杯目は表参道から下北沢に移動してもまだ半分以上が残っている。ミルクティーなんていくらでも飲めると思っていたけれど、けっこうな甘みに加えてタピオカの存在感が予想を超えていた。検証の途中ではあるけれど、あんまり続けて飲むものじゃないことは確かな気がする。
下北沢の『Babo The Drink Shop TOKYO』はピンクを基調としたかわいい店内。これは女子が好きそう!
お茶とミルクが分離した状態で渡されたものを自分で振って混ぜるシステム。こういうの、きっと女子は喜ぶよね! 飲んでみると、ミルクティーにタピオカが入っているというシロモノである。
最後の吉祥寺は『囍茶東京(KIKICHA TOKYO)』。店内イートインスペースのテレビではジブリの映画が流れ、バックにはジブリの別作品のサントラが流れている。台湾茶のお店ということでもしかすると、台湾の街がモデルといわれる『千と千尋の神隠し』を意識したのかな? と思わせるものの、映像は『耳をすませば』だったので定かではない。
軽食もあって店内は落ち着く雰囲気。1番人気だという『美人タピオカミルクティー』はミルクティーにタピオカが入っているというシロモノだぞ!
・大きな違いは分からなかったが……
私が飲み慣れていないせいか、この日巡った5店舗のタピオカミルクティーはどれも甲乙つけがたいおいしさだった。「タピオカミルクティーですね」という以上の驚きは得られなかったが、逆を言えば「ハズレがない」ということだ。
結論:女子が多く集まる街で営業を続けられているタピオカ屋なんて、どこもおいしいに決まっている。
……こんなオチもあろうかと、飲みながらタピオカの数を数えておいたのでせめて発表しておこうと思う。一口ずつ持ち帰ったミルクティーとタピオカを帰宅後改めて比較してみると「どれが1番」とは言えないまでも、それぞれに個性がみえたので併せてお伝えしておく。
・『ジ・アレイ ルージャオシャン』(恵比寿):1番ミルクが濃い。タピオカの硬度は5軒中トップだが弾力というよりは、むしろ固い。タピオカ数=79個
・『Piyanee』(渋谷):ミルクティーの甘さが際立つ。タピオカの弾力・大きさともに5軒中トップ。噛みごたえがある。タピオカ数=45個
・『春水堂』(表参道):タピオカは柔らかくて芯がないのに噛み切れないくらいモチモチしている。タピオカ数=136個
・『Babo The Drink Shop TOKYO』(下北沢):あっさりしている。溶ける寸前の餅のようでありながら芯がある不思議なタピオカ。タピオカ数:109個
・『囍茶東京』(吉祥寺):黒砂糖のような個性的な甘みのお茶。タピオカは歯切れがいい。タピオカ数:47個
あくまでも私の主観であるが参考までに……。根気強く飲み比べていけば、そのうち違いの分かる女になれるかも?
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
▼少しずつ持ち帰ったタピオカを比較してみた
▼雨じゃなければあと2杯はいけた