「デカ盛り」、それは魅惑の言葉である。その言葉を聞いただけで、人は何かしらの興味を持つ。デカいのか? そんなにデカいのか? 食えるのか? 無事に完食できるのか? ただデカいというだけではなく、その言葉の向こうには料理を作る人と、それを食う人の静かな、しかし熱い戦いが待っている。
東京・調布市では、10店舗が参加しているデカ盛りの祭典が開催されている。「第5回デカ盛りウォークラリー」だ。今年私(佐藤)は、ついにその熱い戦いに参加することにした……。最初に挑戦するのは、総重量3.3キロの丼である。
・デカ盛りで有名なお店
このイベント、実は3年ぶりに行われる。巨大な丼を提供するのは、京王線布田駅から徒歩約5分のところにある、そば処 若松屋だ。
若松屋はデカ盛り界隈では有名なお店のひとつで、盛りそばや中華丼、カツ丼などのメガ盛りメニューを提供するそば屋としてよく知られている。
デカ盛りウォークラリーで提供しているメニューは、ラグビーワールドカップの開催にちなんだ「トライ! まあイケル丼」。総重量3.3キロ、カツ丼と天丼を半分ずつ盛った凶暴極まりない一品なのだとか。
たっぷりの野菜天とトンカツが2枚。さらに30センチの特大エビ天まで乗っているとのことだ。それが3980円という価格で提供されていることにも驚く。
・20代の2人と挑戦ッ!
単身で挑戦したいところではあるが、四捨五入したら50歳の私1人では、さすがに完食は困難。ということで、強力な助っ人を招集することにした。松竹芸能所属、芸歴6年のお笑いコンビ「ニダンギア」の中込裕太とフランシスコ小林の2人だ。
2人は芸人であるだけでなく、YouTuberとしても活躍している。私がクロちゃんの後輩芸人、「ワンワンニャンニャン」の菊地優志(まさし)さんのインタビューを行ったことが縁で出会った。松竹芸能の大食いできるガッツのある若手を紹介して欲しいとお願いしたところ、彼らが推薦されたのだ。
何より期待できるのは彼らの年齢。当編集部は全員30歳以上。もはや枯れかかっているといっても過言ではない。肌の色つやが悪い! 白髪交じりすぎ! そこへ行くと彼らは2人とも27歳!! ピチピチである。この先10年くらいムチャしたって大丈夫!
私と約20歳も違うじゃないか。絶対食えるよ。私より全然食える。
・これが3.3キロの丼だ
という訳で、この3人で挑戦することになった。デカ盛りを食べるには、お店に事前に予約しなければならないので、挑戦を考えている人はあらかじめお店に連絡して欲しい。さて、予約した時間に訪問すると、すでに厨房では段取りが進んでいる様子だった。
我々も心の準備を整えて待っていると、「おまたせしました~。トライ! まあイケル丼です~!!」と出されたのが……
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え?
ええ?
ええええ?
えええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!
3.3キロ……。う~ん、数字を聞くのと実物を見るのとでは随分違う。1人1.1キロという計算なら行けるとは思うが、不安だ……。
2人に意見を求めると、中込(通称ゴミ)は、「う~ん、3人いるから大丈夫だとは思います」と、冷静な判断を下している。一方のフランシスコに尋ねると「余裕でしょ。俺、胃下垂なんですよ。胃下垂の人、めっちゃ食うじゃないですか。俺、相当食いますからね!」と自信満々! なんて心強いんだ。
これまで当編集部で年かさの私が、ムリをおして頑張って来たのだが、これからは2人がいると思うとマジで嬉しくて涙が出て来そうだ。いい人達に出会った(涙)。
・いざ、実食
いよいよ挑戦スタート! さて、どうやって食べるか。最初の5分はどう手をつけていいのか分からずにいたのだが、丼手前から各々の食べる量を取り分けて攻略することにした。
これまでいろいろなデカ盛りにチャレンジしてきたが、経験上これは厳しい戦いになりそうな予感がした。というのも、上物の下に大量のご飯が隠されていることがすぐに分かったからだ。カツも天ぷらも揚げ物で、結構ヘビィ。さらにご飯には出汁が浸みており、猛烈にウマいのだが、米が水分をしっかりと吸っている。
見た目以上に食い応えは重い。3人は全員、1杯目ですでにそのことを感じ取っていたが、気持ちが折れるのを避けるために、誰もそのことを口にしなかった……。
口にはしなかったが、表情にあらわれてしまったヤツがいる……。
……フランシスコだ……。
フランシスコは最初の1杯目で事の重大さに気付いたようだ。だが、始まった以上ムリとは言えない。そこで食べ物を、味噌汁やお茶で流し込む戦法をとっていた。
この時に気付いてあげられればよかった。流し込み戦法は大食いで1番やってはいけないということを。早食いなら通用するが、大食いでは逆効果……。すでにフランシスコは遠い目をしていた。
・フランシスコが……
そんなフランシスコに気付かないまま大食いチャレンジは続く。
開始から約15分で丼の半分を攻略し……。
このままのペースで最後まで走り切るかと思われた。ところがである。
フランシスコが消えた……。
・丼の底にメッセージ
小休止を挟んだ後に戻ってきたフランシスコは、我々2人から残りを平らげるように命じられるも、すでに心ここにあらず。
それでも最後の力を振り絞って、残ったすべてのご飯を食い切り、完食することができた! そして丼の底には、お店からのメッセージがッ!!
「お幸せに!!」
こうして今回無事完食に成功した。
ちなみにこの調布市のデカ盛りウォークラリーは、3月11日まで開催されているので、他のお店にも挑戦したいと思う。次は、フランシスコの活躍にも期待したい。
・今回訪問した店舗の情報
店名 そば処 若松屋
住所 東京都調布市国領町1-13-4
営業時間 11:00~15:00 / 17:30~20:00
定休日 金曜日、第3木曜日
参考リンク:第5回調布デカ盛りウォークラリー
協力:ニダンギア(松竹芸能)
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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