忙しいったら忙しい! クリスマスから大晦日までのこの1週間は1年で最も慌ただしい時期の1つである。特に今年は平成最後の年末。いつもの年末の倍以上に師が走ってる感じがするのは気のせいか。もはや師が50mダッシュしてるレベル。
そんな年末こそ、心落ち着く年越しそばと共に越したいものである。というわけで、立ち食いそば137店を回った私(中澤)が、2018年に行ったそば屋でオススメ5選をまとめてみた。保存版!
・その1『山田屋』
つゆのウマさで記憶に残っているのが台東区入谷の『山田屋』である。アクセスが微妙な立地にもかかわらず、タクシー運転手や配送業者がトラックで来たり、客でにぎわっていたこの店。
そのつゆの味は都内立ち食いそば最強レベル。ワンコイン以下の価格が信じられないくらいコク深い。
・その2『一〇そば』
立ち食いそばにコスパを求めるならまずこの店に行って欲しい。そう思わされてしまったのが駒込『一〇そば』だ。「ドーン!」と破壊力抜群の名物「とり天そば」は税込340円ということがにわかには信じられないボリューム。
さらに、濃厚なつゆが麺に絡むと、その味はまさに男のそば! ガツガツいける男子歓喜のそば屋である。
・その3『ひさご』
意外と穴場だったのが浅草橋の高架下にひっそりとたたずむ『ひさご』。外観から味が出まくりだが、そば自体も極めて味がある。濃厚なつゆは底が見えないほどブラック。そのつゆの色が油揚げまで黒く染める。
しかしながら、やはりそば。見た目に反し優しくさっぱりした味なのが嬉しい。暗黒そばの醍醐味を味わうことができるぞ。
・その4『そば助』
一方、クリスタルのように透き通るつゆがウマイのが『そば助』である。塩だしのそばは一見慣れない見た目をしているがハーモニーは抜群。鶏肉から出るだしも手伝って濃厚な味である。
しかも、そばを食べ終わった後にライスを入れて作るおじやがまたウマイ! ゴマ唐辛子を入れたら、「こりゃかなわん」のひと言だ。
・その5『そば政』
今年行ったそば屋だけでなく、今まで行った中でも屈指のウマさだったのが足立区六町の『そば政』だ。駅からバスを乗り継いで行ったこの立ち食いそば屋。ネット情報では7時30分から13時までしか営業していないとのことだったが、なんなら12時に行っても営業していなかった。
いつやってるんだよ! そうツッコミながらの数回のアタックの末にたどり着いた味はまさに幻の一杯。のど越しの良い繊細なそばとパンチ力のある濃厚つゆのハーモニーは、うだるような暑さと共に記憶に刻みつけられる爽やかさだった。これが税込480円はマジ凄い。
──以上である。中には行きにくい店もあるが、いずれも食べて後悔なしのクオリティーだったことを私が保証したい。
ロケットニュース24に入社した日から続けているこの連載も137回。さて、次はどんなそば屋と巡り会えるだろうか。放浪は続く。来年もウマイそば屋を求めて──。
執筆:立ち食いそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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