あなたは『赤いきつね』と『緑のたぬき』、どっち派だろうか? 私は昔から『緑のたぬき』派なのであるが、人の好みは人それぞれ。その昔、アフリカはケニアの人々に「どっち派?」と聞き回ったところ『赤いきつね』が人気だった。

それはさておき、つい最近のこと。都内某所の会議室に足を踏み入れると、スーツ姿の男2人が真剣な眼差しで対峙していた。それぞれの目の前には『赤いきつね』と『緑のたぬき』が。聞けばこの2人、スゴ腕の有名弁護士であるという。

そして……

なんと今から、それぞれが『赤いきつね』と『緑のたぬき』のどちらが優れているのかを徹底討論するのだという。な、何のためにそんなことを。ちなみに……

『赤いきつね』を弁護するのは、レイ法律事務所の山本健太(やまもとけんた)弁護士……って、この人、テレビでも見たことあるぞ!! それに対し、『緑のたぬき』を弁護するのは……

河西邦剛(かさいくにたか)弁護士……って、この人もテレビで見たことあるぞ! なんでこんな有名な弁護士の先生方が、『赤いきつね』と『緑のたぬき』を弁護するのか……。正直、意味がよくわからないが……なんて思っていた矢先!

いきなり赤と緑の「調理時間」についての討論が始まった。以下、それぞれの陳述を正確に文字起こしをしてみたい。


──まず、緑のたぬきの弁護人、河西弁護士が舌鋒鋭く切り込む。

河西(緑)「現代人は忙しいですよ。1分1秒を急ぐわけですね。少ない時間をやりくりしながら……食べる。時間がないなかで温かいものを食べたい。そういう時、どのくらいの時間でできるのかは大事なんですね。コンビニで待つ時間も惜しい……ってときに、お湯を注いでから何分間で食べられるのか? チンタラ待ってたら時間がなくなって、ゆっくり食べられないわけですよ。その点……」

河西(緑)「緑のたぬきは……3分間で! ……食べることができます」


──次に、赤いきつねの弁護人、山本弁護士が不敵な表情で静かに反論を始めた。

山本(赤)「ありがとうございます。では、こちらも証拠を提出させていただきます……」

山本(赤)「5分でございます」


河西(緑)「長っ!」


山本(赤)「5分なんです。おっしゃる通りに、5分。その差2分間というのは、なかなか現代人にとっては長い時間かも知れません。ただ、逆にこう考えていただいたらどうでしょう?」

山本(赤)「この2分間。実は、赤いきつねは2分……たったの2分かも知れないけども、“休んでいいよ” と……現代人に言っている2分間と考えることはできないでしょうか?

山本(赤)「むしろ、3分間でできてしまう緑のたぬき……この差2分が、実は、緑のたぬきを食べている人よりも、“2分間、私(赤いきつね)のためだと思って、休んでくれないか?” と……。つまり、赤いきつねは、自分を犠牲にしてまで2分間、現代人に “ゆとり” を与えているんです。自分を捨ててまで、現代人のことを考えてくれている。これは、なかなかできないことではないでしょうか?」


河西(緑)「先生、それは詭弁です。現代人はスピードスピード……(以下省略)」

──と、この調子で1時間半も討論していたのだが、すべてを文字にすると日が暮れて読者の皆さんも寝てしまうかと思うので、ポイントだけをかいつまんで以下に証拠提出(紹介)しておきたい。


【赤いきつねの優れているポイント】by山本弁護士

・じゅわ〜っとしたお揚げが、つゆをたっぷり含んでいるので「いっぱい食べている感覚」になる。この大きなお揚げによって、救われた人はたくさんいる。
・カロリーは『緑のたぬき』より『赤いきつね』の方が少し低め。
・2018年で『赤いきつね』は発売40周年。それに比べて『緑のたぬき』は発売後38年と2年短い。
・食欲をそそる赤いパッケージが良い。
・たしかに完成するまでに5分間かかるが、それは「ゆとり」を与えてくれている。つまり「休んでいいよの5分間」なのだ。


【緑のたぬきの優れているポイント】by河西弁護士

・『赤いきつね』は5分も待たなければならないが、『緑のたぬき』は3分で完成する。
・満腹感と満足感はこっちのほうが上。
・緑色は、信号の色でも分かるように「安心」の存在感。
・『緑のたぬき』のルーツは、1963年に発売された業界初の和風タイプ袋めん「たぬきそば」であり、赤いきつねよりも古い。
・鰹節が効いたつゆに、なめらかで「のど越し」の良いそばが楽しめるのは『緑のたぬき』だけ。



──てな感じであり、どうやら雰囲気的に私が裁判長を務めなければならないムードだったのだが、正直、甲乙つけがたい。できることなら示談にしたい。なぜなら、皆さんも知っての通り、どちらもウマイからである。しかし、あえて裁判長羽鳥が判決を下すなら……


緑のたぬき……


……なぜなら、もとから私は『緑のたぬき』派であり、そば屋で修行をしたこともあるほどの、そばが好きな東京人。河西弁護士の説得力ある熱弁を目の当たりにしたら、ますます『緑のたぬき』への愛が深まってしまった。

しかしながら、かつて海の向こうのアフリカのケニアで大ウケしていたのは『赤いきつね』だったという事実も忘れてはならない。個人的な感情か。それとも国際的な問題に視野を向けるか……。ということで、羽鳥裁判長の最終判断は……


ケニア人シェフが考案した『赤いたぬき』……

──で、世界平和ということでどうだろう。ダメかな……? もしもダメな場合は、現在まさに、「あなたはどっち!? ~食べて比べて投票しよう!」キャンペーンが開催されているので、みなさんも実際に食べ比べて投票してみてほしい。

投票場所は、キャンペーン特設WEBサイトで受け付けている。全国で行われている投票結果の最新状況もここでわかるのでチェックして欲しい。

なお、勝った商品にちなんだ限定商品の発売を予定しているそうな。はたしてどちらが勝つのであろうか? その答えは、あなたが決める。 Let’s vote!

参考リンク:マルちゃん「あなたはどっち!? ~食べて比べて投票しよう!」
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼ケニア人シェフ考案『赤いたぬき』誕生の瞬間は7:35〜から