自分が貧困に陥ったら? ホームレスになったら? 貧困問題には「自己責任」という言葉が付きまといがちだが、一つの言葉で断ずるには、その背景・原因はあまりに複雑すぎると言われている。冒頭のような問いを自分に投げかけ、我が事として少しずつ解きほぐしていく必要があるだろう。

これからご紹介する「あるメッセージ」も、そんな視点から読んでみるといいかもしれない。家を失い、飢えにあえぐ自分が、このメッセージを目にしたらどれほど心打たれるだろうか、と。


「食べ物を見つけようとゴミ箱へ向かっている人へ」


そんな言葉で始まるメッセージが、米ノースダコタ州ファーゴにあるピザ・チェーン店『Little Caesars』の店頭に張り出された。


「あなたは人間です。ゴミ箱に捨てられた食べ物を探すのではなく、尊重されるべき存在です。営業時間内に、どうか店にお越しください。あたたかいピザを2切れほど、お水と一緒に無料で提供いたします。こちらから事情を聞くことはありません」


米メディア『Grand Forks Herald』によると、このメッセージは、あるホームレス男性に宛てられたものだという。男性は、いつも店の近くのゴミ箱にやって来ては、何時間もかけて食料を探していた。従業員がピザを手渡そうと近づくと、男性は逃げ出してしまう。どうしたものかと悩んだ末に、店はメッセージを張り出すことに決めた。

また同店は、売れ残ったピザを地元のホームレスシェルターに寄付したり、店頭にカンパ用の募金箱を設置するなど、様々な方法でホームレス問題に取り組んでいるとも報じられている。

2017年8月にレイチェル・ニストラーさんがツイートしたことで話題になったメッセージだが、この度、英メディア『indy100』が取り上げたことで再び注目が集まっている。「深く尊敬する」「人間をもっと信じていいんだと思えて、希望がもてた」「素晴らしい」など、今なお多くの人が賛同の声を上げているのだった。

参照元:Twitter @RachelNistlerNewsnerGrand Forks Heraldindy100、(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.

▼店頭に張り出されたメッセージ