カレーライスといえば、日本の国民食だ。しかしその歴史は意外と短く、日本人が初めてカレーと遭遇したのは、約150年前なのだとか。そんな日本のカレーの歴史は、神奈川県横須賀市の「横須賀海軍カレー本舗」に行くと知ることができる。

カレーが日本の歴史に登場するのは幕末。1863年(文久3年)に、日本人が初めてカレーを見たのだとか。そして……! その日本人は、かなり衝撃的な一言を残しているのだ。

・横須賀海軍カレー本舗

横須賀海軍カレー本舗の2階にはカレー専門のレストランがある。そのテーブルには紙のランチマットが敷かれており、そこにはカレーに関するさまざまな豆知識が紹介されている。「よこすか海軍カレー かわら版」と記載されている、それを読んでみると……


カレーの効能や、横須賀におけるカレーの歴史などなど、役立つ情報が満載だ。なかでも興味深いのが、日本のカレーの歴史である。大塚食品がレトルト「ボンカレー」を販売開始したのが1968年。その8年前に、ハウス食品が固形ルウの「ハウス印度カレー」の販売を始めたのだとか。

さらに歴史をさかのぼると、日本人が初めてカレーを目撃した時のことまでわかる。1863年、幕府の遣欧使節団の三宅秀という人物が、日本人として初めてカレーを目にしたそうだ。その感想を、彼は日記に残していたという。そこには……


「至って汚き物なり」


──と記してあったそうだ。


・今、彼が日本のカレーを食したら?

今となってはカレーは日本人の国民食だけど、江戸時代はそうじゃなかった。三宅秀が見たカレーがどんなものなのかはわからないけど、予備知識ゼロでカレーを見たら、食べ物とさえも思えなかったことだろう。なお、日本人が初めてカレーを口にするのは、それからさらに8年も後になる。

それにしても、まさかここまでカレーが日本中で愛される料理になるとは、三宅秀も想像していなかったはず。もし仮に、彼が今の日本のカレーを食したらどう思うだろう? きっと、「こんなに美味しいものだったのか!」と驚くのではないだろうか。

参考リンク:横須賀海軍カレー本舗
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24