2018年7月17日、大手ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の前澤友作社長が自身のTwitter上で「大きな願望、プロ野球球団を持ちたいです」と表明し話題になっている。

ネット上には賛同する声もあれば拒否する声もあり、まさに賛否両論といったところだが、今回はプロ野球ファン歴約25年の記者が「プロ野球への新規参入」について見解を述べてみたいと思う。一言でいうならば「大いにやったらええがな!」これに尽きる。

・12球団である必要性はあるのか?

現在はセ・リーグ6球団、パ・リーグ6球団で成り立つ日本プロ野球。最近ではDeNAや楽天が新オーナーとしてプロ野球に参入したことはご存じの通りである。ここでの大きなポイントは「オーナーは変わっても新球団は誕生していない」ということだ。

個人的に言わせてもらえば、プロ野球が12球団である必要は全くない。そもそも12球団に落ち着いたのは1950年以降だし、それ以前はそれより少ない数(7球団とか)でプロ野球は運営されていたのだ。「プロ野球 = 12球団」というのは固定観念でしかないのである。

・質が低下する?

もちろん球団が増えることにより「プレイの質の低下」を懸念する声もあることだろう。だが、これが100球団ならばともかく倍の24球団くらいならば「そこまで質が下がることはないのでは?」と個人的には考える。なぜならば「出場機会が増えることによって才能が開花する選手」が必ず現れるからだ。

そもそもプロ野球選手はドラフトにかかった時点で、全員が全員、エリート中のエリートである。その中でも厳しい競争を勝ち抜いたごく一握りの選手だけがレギュラーとして試合に出場できるのだ。その陰には実力を発揮できずに球界を去る選手も少なくない。

そうした選手の存在を考えれば、プロ野球全体の底上げになることはあってもレベルの低下にはならないのではないのだろうか? さらに言うならば「外国人枠」もいっそのこと撤廃してしまえばいい。監督からコーチ、オーナーに至るまで全員が外国人のプロ野球チームがあっていいではないか。

・独占状態はいかがなものか?

私が「プロ野球への新規参入」に賛成する理由はただ1つ、プロ野球に限らずある意味で「独占状態になっている業界は健全ではない」と考えるからだ。聖域なのか何かは知らないが、資格さえ満たしていればどんな企業でも参入できる可能性を有することこそ、自由主義であり風通しの良い社会ではなかろうか。

というわけで、私は前澤社長の願望を全面的に支持する。こう言っては何だが、12球団の中には「球団を保有してるだけでいいや。優勝出来たらラッキー」くらいにしか考えていないのでは? と思われてもおかしくないチームも意外と存在する(あくまで個人的な感想)。

2005年に誕生した東北楽天ゴールデンイーグルスがそれなりに戦えるチームになるまで、かなりの時間がかかった。険しい道になることはわかり切っていることだが、ZOZOに限らず「プロ野球球団を持ちたい!」と声を挙げることがタブー視されない世の中こそ、健全ではなかろうか。

参考リンク:Twitter @yousuck2020
執筆:P.K.サンジュン

▼ZOZOに限らず、こういった発言がタブー視されないことを願う。