有名な四足歩行ロボットといえば、ボストン・ダイナミクス社の「SpotMini(スポットミニ)」が挙げられる。日本では建設現場で同ロボットを使った実証実験が行われるなど、実用化を準備する段階まできている。
そんななか、米マサチューセッツ工科大学(MIT)が超高性能な新型四足歩行ロボットの動画「Vision-free MIT Cheetah」を公開した。「Cheetah(チーター)3」と呼ばれるロボットの主な特徴は、視覚(カメラ)に頼らず行動する点とのことだが、いったいどんなロボットなのか? 動画で詳細を見ていこう。
・動きの自由度が高い『チーター3』
チーター3の性能を知るにあたり、まずはじめに注目すべきは各部の動きが自由自在なことだ。足の付け根部分は大きく捻(ねじ)れても大丈夫なのに加え、関節部分は前後に曲げることができる。
もちろん、ピョンピョンと飛び跳ねながら移動することも可能で、動画内では屋外の芝生や砂利の上などの不安定な足場の上だって歩く。さらに1本の足だけ使用しない3足歩行なんかも余裕でOK!
また、チーター3はスピード性能にも優れており、ゆったりとした歩きに始まり、軽快な駆け足も披露してみせる。なんなら秒速3m……つまり時速10.8kmでダッシュすることも可能だ。ここまででも有能だが、極めつけは強力なジャンプ力である。
・視覚に頼れない場所で活躍すること間違いなし
動画の2:33あたりでは、高さ76cmのテーブルの前に立つチーター3が特大ジャンプ! テーブルの上へ見事に着地する様子が見られるぞ。そして、これら全ての動きが視覚を使わずにやっているというのがまた凄い。
MITによると、チーター3は接触検出アルゴリズムとモデル予測制御アルゴリズムを組み合わせた「blind locomotion」との機能によって姿勢を制御している。超ざっくり言うと、触覚と予測をもとに動いているロボットというわけだ。
真っ暗で何も見えない現場など、視覚に頼れない場所で活躍すること間違いなしの『チーター3』。近い将来、人間が脚を踏み入れることのできない場所で作業する日も近いかもしれない。
参照元:YouTube、MIT News(英語)
執筆:K.ナガハシ
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