2018年6月1日、映画『デッドプール2』がいよいよ公開される。一足先に公開されたアメリカでは『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の快進撃を抑え3日間で約138億円の大ヒットを記録、公開されたすべての国で初登場1位となるなど、文句なしの話題作だ。

記者は公開に先駆けて行われた先行試写会に潜入してきたが、なるほど……おもしろいのはおもしろい。──んが! 心の底から「マジで最高だった!」と思えたかというとそうではなかった。それには3つの理由があると思うのだ。

・異色のヒーロー

流行りのアメコミ映画の中では異色の “無責任ヒーロー” として知られるデッドプール。最大の特徴は自分をコミックのキャラクターと理解していることで、いわゆる “第4の壁” を打ち破り観客に話しかけるなど、他のキャラにはない設定が魅力のキャラクターである。

映画のジャンルとしてはアクションになるが、キャラの特性上コメディ色が強いのも映画デッドプールの特徴だ。そしてそのコメディの部分に “日本人だとわかりづらいネタ” が多く含まれている。例えば……。

・アメリカンポップカルチャーネタが満載

映画のところどころに登場する、映画や音楽などのアメリカンポップカルチャーネタ。すぐに「あ、あれのことか」とわかるものもあるが、ぶっちゃけ「?」となるものも少なくない。アメリカでは馬鹿ウケでも日本ではスムーズに伝わらないギャグがそれなりに含まれている。

・多少のアメコミの知識が必要

映画そのものや他のコミック、さらには他社のヒーローまでディスり倒していくのがデッドプールのスタイルだ。これもそれなりにアメコミに関する知識がないと「?」となる可能性は高い。逆に知識がある人であれば、思わずニヤリとしてしまうことだろう。

・わかりづらい小ネタが満載

これは少々ネタバレになってしまうのだが、実は「ブラッド・ピット」や「マット・デーモン」が本作にはカメオ出演している。その他にもかなり集中していないと見逃してしまう小ネタが満載だから、初見で「デッドプール2最高だった!」と思えなくて当然なのかもしれない。

もちろん、シンプルにアクション映画としては十分に楽しめるし、見終えた後の満足度は高い。特にケーブルを演じた「ジョシュ・ブローリン」とドミノを演じた「ザジー・ビーツ」はハマり役で、今後の作品では中心人物になり得る可能性を秘めている。

・奥深い作品

ただ、これまでお伝えした通り『デッドプール2』の魅力の1つは「細部にまで散りばめられたコメディ」なので、それが一発で理解できる人は滅多にいないだろう。逆に言えばそれだけ深く「何度観ても楽しめる作品」と言えるのかもしれない。

上記の理由から『デッドプール2』を見終わったあとすぐに「最高だったぜ!」と思わなくても全然大丈夫だとお伝えしておく。映画『デッドプール2』は6月1日公開だ。

参考リンク:デッドプール2
執筆:P.K.サンジュン
Photo:(C)2018Twentieth Century Fox Film Corporation.

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