突然だが、「ミックスジュース」の発祥地をご存じだろうか。正直なところ、記者は九州から関西に越して来るまで考えたことさえなかった。しかしある時、気がついたのだ。関西ではスーパーからコンビニのみならず自販機に至るまで、あちらこちらにミックスジュースが置いてあることを。
それもそのはず、どうやらミックスジュースは大阪生まれのドリンクらしいのだ。通天閣のお膝元、ジャンジャン横丁に店を構える『千成屋珈琲』が出発点。いつもとは一味違う、ちょっと特別な気分になれる同店のミックスジュースを飲んでみたぞ。
・懐かしい気持ちになる『千成屋珈琲』
串カツにどて焼き、将棋クラブなど大阪らしい店が軒を連ね、活気に満ちあふれるジャンジャン横丁。その中で、街の騒がしさを忘れそうになるほどシンとしたたたずまいを見せるのが『千成屋珈琲』だ。ノスタルジックな雰囲気で、どことなく懐かしい気持ちになる。
店のメニューに記されていた説明によると、同店は1948年に創業。その後間もなくしてミックスジュースは生まれたとのこと。どうやら当時の店主が果物店を営んでおり、そこから果物を使ったドリンクを思いついたようだ。一時は閉店するなど紆余曲折あったようだが、ミックスジュースの味は変わらず引き継がれている。
・濃厚でウマいミックスジュース
昔懐かしの定食やサイフォンコーヒーも気になるが、グッとこらえてミックスジュース(500円)を注文。鮮やかな黄色のドリンクが運ばれてきた。ストローで混ぜてみると、ドロッとしていることがわかる。これは間違いなく濃くてウマいやつやで……!
飲む前から確信できるほどの、見た目から伝わってくる “美味しい感 ” 。口に入れると、その確信が正しかったことを実感する。まったりと舌に残るミルキーなバナナの味、そして後味は柑橘系のサッパリさ。なんだこの魔法の飲み物は。
いくらでも入りそうな勢いの味は、さすが発祥の店といったところか。なかなか他にないクオリティだけに、これを飲んだらノックアウトされてしまうこと間違いなしだ。
同店にはスタンダードなミックスジュースのほか、イチゴやメロンを基調としたものもある。どれもこれも気になるな。食い倒れで疲れた胃にも効きそうな『千成屋珈琲』のミックスジュース。ぜひ試してくれよな。
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 千成屋珈琲
住所 大阪府大阪市浪速区恵美須東3−4−15
時間 平日9:00〜21:00(LO20:00、ドリンクLO20:30)、土祝前日9:00〜23:00(LO22:00、ドリンクLO22:30)
定休日 無休
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.