うさぎを主人公にしたビアトリクス・ポター原作の絵本『ピーターラビット』は、世界中で愛されている名作である。そんな作品がハリウッドで実写映画化され、2018年2月9日の全米公開以来大ヒットを記録している。
ところが、劇中の「食物アレルギーを描いたシーン」に批判が殺到。保護者や食物アレルギーの子供を支援する団体から抗議の声が挙がっている。
・『ピーターラビット』のシーンが問題に
英ニュースサイト『Mirror』によると、問題になっているのは、登場人物トム・マクレガーめがけてピーターと仲間たちがブラックベリーを投げつけるシーンだ。これにより、ブラックベリーにアレルギーを持つトム・マクレガは症状を起こし、自らアナフィラキシー補助治療剤のエピペンを注射する……。
・保護者や団体から抗議の声が
コメディ仕立てのドタバタ喜劇風に描かれているも、この一連の展開に保護者や団体から批判が殺到。「食物アレルギーを持つ子供が見たら、気分を害する可能性がある」「アレルギーの人に対するいじめを奨励するなんて恥を知れ」といった声が挙がっている。
そして、SNSでは「#BoycottPeterRabbit」という映画をボイコットするハッシュタグまで作成され、抗議の声が拡散されているようだ。
・制作会社は謝罪
特に『ピーターラビット』は子供向けの映画だけに、作品を見たキッズが映画の内容を真似る可能性は否めない。イチゴやピーナッツなどにアレルギー反応を持つ人は、その食品を食べたらアナフィラキシーショックを起こして呼吸困難に陥り、命にかかわる場合もある。映画のワンシーンが発端となり、問題が起こるパターンもあり得るだろう。
なお、制作会社のソニー・ピクチャーズは、問題のシーンについて「食物アレルギーの問題を軽く扱うべきではありませんでした」と謝罪コメントを発表している。本作の日本公開は2018年5月の予定。今後いじめのシーンが削除されるのかどうかは不明だが、もしかしたら日本上陸時に内容が変わっている可能性があるかもしれない。
参照元:YouTube、Facebook @Kids With Food Allergies Foundation、Mirror(英語)
執筆:Nekolas
▼『ピーターラビット』の予告編
▼食物アレルギーの子供を支援する団体の映画を抗議する投稿