当然ながら、海外旅行に行くならクレジットカードだけでなく現地のお金が必要だ。日本の空港などで両替するか、現地で両替するか、はたまた現地のATMでキャッシングするか。私(あひるねこ)の場合は、いつもクレジットカードを使ってATMで下ろしている。
先日中国に行った際、帰国前日になって手持ちが心もとないと感じた私は、その日もいつも通りATMにカードを差し込んだ。しかし、カードが戻ってくることはなかった。そう、機械に飲み込まれたのである。30年以上生きてきて初めての経験だ。
そんな大ピンチを、よりによって中国で迎えてしまった私は、それはそれは焦った。正直、思考が停止しかけた。結果的に、スマホの “ある機能” を使ってなんとか事態を乗り切ったのだが、今回はその時の話をしようと思う。
・中国でATMを使うも……
先日、中国の成都を訪れた。麻婆豆腐や火鍋など、激辛料理で有名な四川省だ。翌朝の便で帰国する予定だった私は、お土産用の資金を調達するため目に付いたATMに立ち寄り、クレジットカードを機械に差し込んだ。
ところが、何やらエラーが発生した様子。どうやらこのATMはVISAカードが使えないらしい。はは、私としたことがうっかりしていた。では違うATMに移動するか、と思いカードの返却口に手をかざすも、なかなか出てこない。遅いな、と機械に目をやると、そこには「カード忘れんなよ。じゃあな」的な表示が。……え? 私のカードは?
・緊急事態
しばらくATMの前で呆然とする私。一体何が起きたのだろう……。そういえば今何時だっけ? お土産どこで買おうか? 最後の晩は何食べようかな? 意味不明すぎて若干脳がバグった後、ついに認めたくない現実を受け入れる時が来た。
「カードがATMに飲み込まれちゃった」
はい! 終了です。完全に終わりました。どうすんのこれ? ねえ、どうすんの? あああああああ、何も考えたくないよおおおおお~。もう、殺せ……ッ! いっそのこと殺せェェェェエエエエエエエ!! まだ何もしていないのに、すでに万策尽きた状態になった私。文字通り、パニックである。
・絶望的な状況
銀行併設ではない無人のATM。これが日本での話だったとしてもおそらく焦るはずなのに、ここは世界屈指のフリーダム国家・中国だ。さらに、私も同行した友人も中国語がペラペラというわけではない。観光ならそれでもなんとかなるが、こうなった場合どうすればいいのか見当がつかなかった。つまり、完膚なきまでに詰んだのだ。
・救いの手
わらにもすがる思いで、翻訳ツールを使い清掃のおばちゃんに聞いてみるも、当然分かるわけがない。が、そのおばちゃん、すぐさま近くにいた40代くらいの上品なマダムに声をかけ出したではないか。するとマダムは、ATMを見ながら銀行に電話をかけてくれたのである。お、おばちゃん……! マダムッ……!!
・しかし状況は変わらず
さて、その後どうなったのかを簡単に書こう。英語が分かるオペレーターになんとか繋がったので、少しなら英語を話せる友人がどうすればいいか聞いてくれた。結果……「あ~無理っすね。取り出せません」の一点張り。電話の向こうでソーリーソーリー言っている。ガーン! おい、マジかよ……。
・日本への電話は必須
マダムたちと別れた私に残された手段は1つ。カードを止める。それも速やかに。しかし、ここは中国だ。日本のカード会社に電話をかけるのに、どれだけの料金がかかってしまうのだろう? おそらく手続きは数分では終わらないはずなので、どんな高額請求が来るか、まるで未知である。だがしかし……。
この後、私はスマホのLINEを使って簡単に、かつ予想をはるかに下回る金額で事態を収めることができたのだが、その詳細は次ページでお伝えしよう!