中国よ、お前もか。この度、そう言いたくなるようなニュースが中国から飛び込んできた。なんでも「レンタル傘」をスタートしたところ、たった数週間で約30万本の傘が盗まれてサービスが中断に追い込まれたのだとか……って、デジャブ!? 日本でも同様の話が話題になったような……。詳細をお伝えしたい。

・2017年4月にスタートした「レンタル傘」サービス

『South China Morning Post』によると、現在、中国ではシェアサービスが流行中だそう。自転車や携帯電話の電池パック、高校用のバスケットボールなどなど。そして2017年4月には「Sharing E Umbrella」が国内11都市で30万本の傘のレンタルサービスを開始した。

・使用料は30分あたり8円

レンタル傘は、街中のフェンスやガードレールにぶら下がっている。アプリで19元(約320円)の払い戻しされるデポジットを支払うと、傘の取っ手に埋め込まれたロックを外すためのコードが送られてくるという。

使用料は30分あたり0.5元(約8円)。何度でも使えそうな虹色の傘には、GPSが埋め込まれている。安くて良いサービスだ! 

・傘が返却されず、サービス中断

……と思いきや、当初用意された30万本の傘のほとんどが返却されなかったため、このサービスは中断を余儀なくされることに。

なぜ、そんなにも多くの傘が返却されなかったのか? 『Sharing E Umbrella』の創設者である趙書平さんは失敗について、「自転車ならどこにでも放置できるけれど、傘はかけるためのフェンスやレールが必要だから」と話しているもよう。

また本件を伝えた『ZD net』と『The Guardian』は、「利用者が返却方法を知らなかったのではないか」「未返却者にペナルティ料が課せられていなかった」などの問題点も挙げている。

・返却率70%を誇るダイドーの「レンタル傘サービス」

同様の失敗は、日本でも起こっている。最近では、北海道新幹線の開業に合わせて函館市で始まったレンタル傘が、未返却率90%で1年でサービス廃止となったことが話題となった。

しかし『News ポストセブン』によると、飲料メーカー『ダイドードリンコ』が手がける「レンタルアンブレラ」は、返却率70%で成功を収めているそうだ。 “繰り返し使える品質の傘”、“大きな『DyDo』のロゴのデザイン”、“アクセスしやすい返却場所” などが成功の鍵となっていると見られている。

今回の失敗にめげていない趙さんは、年内にはサービスを再開し、3000万本ものレンタル傘を国中に設置する目標を掲げているとのことだ。

参照元:South China Morning PostVOXThe GuardianZD NET(英語)、News ポストセブン
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.

▼「Sharing E Umbrella」の傘