コンビニのホットスナックの地位を飛躍的に高めた商品、それは「ファミチキ」である。ファミチキの登場により、大手各社のレジ周り戦略は大きく転換し、今に至るホットスナック戦争の引き金になったといっても過言ではないだろう。

その生みの親である、ファミリーマートの上田準二氏が完全引退することとなった。上田氏の置き土産として、2017年5月23日夕方、新商品の発売が開始されたのである。その名は「黒幕引き丼」(税抜462円)、ファミチキ初の丼商品である。はたして、その味は!?

・上田氏の幕引き

そもそも、この商品は「ファミチキ丼」という名称にすべきではなかったのか? なぜ、わざわざ覚えにくい名前にしたのだろうか? それはおそらく、ファミチキの生みの親である上田氏を称える意味合いで、この名前にしたのだろう。それにしても、名前で損をしているような……。

・上品に見えるファミチキ

さて、商品を購入してフタをとってみると、丼は2段構造。下の段にはご飯、上にはファミチキとタルタルソース、そしてカレー風味のキャベツが行儀よく並んでいる。こうして見ると、いつもファミチキが何だか上品に見える

レンジでチンして、上の段の具材を下の段のご飯にスライド。黒幕引き丼の完成だ。

気のせいだろうか、いつものファミチキのはずなのに、ご馳走のように見えてくるから不思議だ。

・ジャンクな感じがしない

ご飯と一緒に食べてみると、ファミチキのジャンクな味とご飯の味が調和して、とても美味しい。タルタルソースの食感も相まって、それがファミチキであることを忘れてしまいそうだ。

・追いファミチキが必要かも

しかし、キャベツのカレー風味が強く、ファミチキの味は完全にその下に埋もれてしまっている。これ、ファミチキなくても良いかも? と思うほどにキャベツのカレー風味が強い。これなら、別途ファミチキを購入して、「追いファミチキ」しないと存在感が薄れてしまっているような……。

とはいえ、上田氏引退のはなむけ、ファミチキ生みの親の功績を称えたファミリーマートの心意気が伝わってくる。ただ願わくば、名称を「ファミチキ丼」にして欲しかった。名前がキャッチーではないから……。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24