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日本全国8000万のパクチー大好きっ子、通称 “パクチニスト” たちに朗報だ。2016年12月5日、大手飲食店検索サイト「ぐるなび」が決定する『2016年 今年の一皿』が「パクチー料理」に決定したゾォォォオオオ!

英名でコリアンダー、タイ語でパクチー、中国語で香草(シャンツァイ)、和名だと「カメムシソウ」……ということからもわかる通り、独特の香りが毛嫌いされていたパクチーがついに栄冠を手にしたのだ! 今夜はパクチニストたちがお祭り騒ぎやで!!

・「今年の一皿」とは?

「今年の一皿」は、その年に話題になったことに加え、社会の動きと関係が深く、世相を反映し、さらに食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があることを基準に選定されるという。つまり「パクチー料理」は、今年話題になっただけではなく “後世に受け継ぐ価値がある” と判断されたということだ。

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そこで今回は自称「黒帯パクチニスト」のパクオさんに、パクチー料理が「今年の一皿」に輝いた感想を聞いてみることにした。以下がパクオさんとのやり取りである。

──パクオさん! パクチー料理が「今年の一皿」に決定しましたよ!!

「聞いたよ。まあでもアレだな。“パクチー料理” って言われても普通の人はピンと来ないんじゃない?」

──あれ? 意外と冷静ですね。もっと大喜びしてるのかと思いました。

「うーん、確かにパクチー料理が日本に定着したのは嬉しいよ。昔はタイ料理屋でちょこっと付いてくる程度だったからな。しかも今では多くの八百屋やスーパーでも扱ってる。本当に便利になったよな」

──そうですね。……あれ? 嬉しくないんですか?

「いや、嬉しいって。たださ、最近ちょっと思うところがあるんだよな。何かって言うと、パクチー愛がない店が適当にパクチーを調理してる “なんちゃってパクチー料理” が増えてきてる気がするんだよ」

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──ふむふむ。ちょっとわかる気がします。

「流行だし、ウマくなけりゃ淘汰されるわけだから別にいいんだけどさ。ほら、俺たちパクチニストってある意味で虐げられてきたじゃない? “あんなもんよく食えるな?” ってさ。しかもパクチーが食える店なんて滅多になかったから、やっぱりパクチーって文字を見るとテンション上がるわけよ」

──わかります。

「でもさ、実際は水菜と混ぜてあったり、パクチーの良さが引き出されていない料理も多いわけ。パクチニストはそれでも我慢できるけどさ、パクチー初心者の人がそれを食べちゃって “こんなもんか(笑)” と思われたらイヤじゃない」

──なるほどですねぇ。

「今年の一皿にパクチー料理が決まったのは嬉しいけど、なんか “のせられてる感” もあるわけよ。俺からすればさ、さっき言ったみたいにスーパーや八百屋でパクチーが買えるようになっただけで十分ありがたいから、なんかパクチーが重荷を背負ってしまったというか」

──過度な期待と、なんちゃってパクチー料理が不安だと?

「まあ、そうだな。パクチーってのは基本的に薬味なのよ。生姜やワサビと同じポジションで、好みの料理に添えるくらいがちょうどいいの。あとパクチーそのものを食べ過ぎると下痢するからな。これ、俺が何回もなってるから」

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──そうなんですね。食べ過ぎには注意ですね。では最後に、メッセージをお願いします

「さっきも言ったけど、パクチー料理が増えすぎて “パクチー愛” のある店とそうじゃない店の見分けが難しくなってきた。まあ、これも一時の流行だと思うから、パクチニストたちはそこら辺を見極めてくれよな。

パクチー初心者に言いたいのは、“無理して食うな” ってことだ。パクチーが食べられなくても全然恥ずかしくない。熱を通して香りを消して無理矢理食べるより、他のウマいもん食った方が体にいいよ。パクチーは生の香りが一番強いから、生でダメな人は無理しない方がいいぜ」

なるほど、言われてみれば最近 “なんちゃってパクチー料理” が増えてきた気がする。ブームだから仕方ない側面もあるだろうが、料理店には他の食材と同じくパクチーを大切に扱って欲しいと願う次第だ。

ちなみにパクオさんは「加工食品はあまり期待しない方がいい。特に火を入れてるやつは残念なことの方が多い」とも語っていたから、やはりパクチーは生が手堅くウマいということになる。パクチニストはぜひ参考にしていただきたい。

参照元:ぐるなび「今年の一皿」
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼食べすぎには注意とのことだ。
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