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渋谷ハチ公前から喫煙所が撤去されるなど、ますます肩身が狭くなる愛煙者たち。これも世の流れかとある程度は受け入れざるを得ないが、あからさまに喫煙所が減少すると、懸念されるのが「歩きタバコ」である。

ところでどうだろう? 喫煙者の方にも非喫煙者の方にもお伺いしたいのだが、街で見かける歩きタバコをしている人の8割以上は「50代以上のおじさん」ではないだろうか? 少なくとも「若者より年配の人の方が歩きタバコをしている」と感じないだろうか?

・喫煙所で吸うのがあたり前

おそらく喫煙者のみなさんはここ数年、活動テリトリー内で「どこに喫煙所があるか?」を把握してることかと思う。駅前の喫煙所はもちろん、タバコ屋に設置された灰皿、一服OKのコンビニ前……などなど、自分なりの “喫煙マップ” が頭に入っているハズだ。

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駅構内で普通にタバコが吸え、新幹線のみならず飛行機でも喫煙できた「どこでも喫煙OK時代」と今は違うから、喫煙者にとっては「どこに喫煙所があるのか?」は、気持ちよくタバコを吸い続ける上での命綱ともいうべき情報といえよう。

だがしかし、問題はテリトリー外に出てしまった時である。都心のバリバリの街中ならともかく、周辺に喫煙所が無いような駅は23区内にも意外と多い。私(P.K.サンジュン)の住む街もまさしくそうなのだが、タバコが吸いたくなったらひたすら我慢するだけである。

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──さあ前置きはここまでだ。喫煙所以外でタバコを吸ってはいけないのは、もはや多くの人にとってあたり前のルールといえよう。ただ、どうやら喫煙者の中にはまだ「歩きタバコしても別にいいだろ」と考えている人がいるらしく、特に年配の方に多い気配がある。

・若い人が歩きタバコをしない理由

気にしながら観察するとよくわかるが、20歳そこそこの若者が歩きタバコをしていることはあまりない。おそらくこれは、この世代にとって歩きタバコ自体が「イキってる(笑)」「寒い(笑)」という感覚があるからに違いない。

そう、万が一歩きタバコを知人に見られて「歩き煙草カッコいいね!」なんて言われたら、死ぬほど恥ずかしいという感覚があるのだ。ルールを守るという意識があることは前提として、若い人ほどこの傾向があるように思う。

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40代手前の記者ですら、もし知人に歩きタバコを見られて「クールっすね(笑)」なんて言われたら死にたくなる。そして何より「まあ、そういうルールだし、時代に合わせていかなきゃね」と自然に思えるのだ。

・年配の人はワガママ?

だが、歩きタバコを余裕で続けるおじさんたちは違う。きっとおじさんたちにとって近年の喫煙ルールは「後から出来たもの」であり、何より歩きタバコが寒いとは思っていない。これはある意味で価値観の問題だから、なかなか根が深い。

先日、近所で歩きタバコをしている60代くらいのおじさんに、「おじさん、ここで吸っちゃダメだよ」と言ったら、明らかにムッとした表情で火を消し、無言で立ち去ってしまった。同じ喫煙者として吸いたいときに吸いたい気持ちはわかるが、その行為が喫煙者全体のイメージダウンを招いていることになぜ気付かないのか

おそらく何十年かすれば、喫煙者のマナーはさらに良くなっていると思う。もちろん、きっちりルールを守っているおじさんの方が多いに違いない。ただ一方で、そういうワガママ親父(頑固親父ではない)がまだまだ多いと思うのだが、あなたはどう思うだろうか?

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.