喫煙者にとっては何かと肩身が狭いこのご時世。多くのエリアで路上喫煙が禁止になったのはいいとして、徐々に少なくなる公共の喫煙所、着々と上がり続けるタバコの値段……など “喫煙者包囲網” はゆっくりと、だが確実にその鋭さを増している。

おそらく、ここ数年で「タバコをやめた」という人もかなりの数に上ると思われるが、果たして日本の喫煙者数は実際のところどうなっているのだろう? 今回は厚生労働省が発表した、昨年度(2016年・平成28年)の喫煙者数をご報告したい。

・たばこ産業(JT)の調査

JT全国喫煙者率調査によると、1965年(昭和40年)の統計開始以来、昨年の喫煙者数は最低記録を更新した。男性喫煙率のピークは1966年の83.7%と、今では信じられないほど高い数値である。大げさではなく「みんなが吸っていた時代」と言えるだろう。

その後、徐々に喫煙率は下がっていくが、平成元年の時点でも男性喫煙率は61.1%と、高い数値を保っていた。喫煙率が50%を割り込んだのは、東京都千代田区が「路上喫煙地区」を制定した平成14年からで、以降は急速な勢いで喫煙率が下がっている。

そして最低記録を更新した平成28年度であるが、男性喫煙率は「29.7%」と、調査開始以来、初めて30%を切った。年代別で見てみると、40代が38.2%で最も高く、次いで30代が35.1%となっている。

また、女性の喫煙率は9.7%となっており、ピーク時(1966年の18%)よりは低下しているものの、ここ数年はほぼ横ばいといった状況だ。

調査の結果、約1500万人が喫煙していると推定される現代日本。こんな時代だからこそ、喫煙者諸君はくれぐれも人様の迷惑にならぬようタバコを楽しんでいただきたい。

参照元:厚生労働省「最新たばこ情報」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼ピーク時の喫煙率8割超えってのもスゴイ。そりゃ昔は至る所でタバコが吸えたハズだ。