sasho

経歴を詐称していたとして、人気コメンテーターの「ショーンK」こと、本名川上伸一郎氏が、芸能活動の自粛を発表した。自身の公式ホームページに記載されていた学歴や、経営コンサルタントとしての活動そのものに実態がなかったことなど、偽りの経歴が次々と明らかになっている。

急ごしらえだったHPの経歴を、修正していなかったと説明しているのだが……。法的に見た場合、川上氏の行為は問題があるのだろうか? 専門家に尋ねてみた。

・ストレートに質問

今回もお答え頂いたのは、「プロ野球賭博問題」にお答え頂いたアディ―レ法律事務所の鈴木淳也弁護士である。鈴木弁護士にストレートに質問をぶつけてみた。

・問「学歴を偽ったら、法的に問題あるんですか?」

「学位を詐称した場合、軽犯罪法違反に該当します(同法1条15号)。公職に就くための選挙に当選するために、学歴を偽った場合は、公職選挙法違反(同法235条1項)違反です。

学歴といえば、履歴書に書く機会が多いですが、そこで虚偽記載をして採用された場合、後にそれが会社に発覚すれば、全てのケースではありませんが、懲戒処分の原因となりえます。懲戒解雇となるケースはかなり限られております。学歴を高く偽る場合だけでなく、大卒なのに高卒と偽った場合でも懲戒解雇が有効とされた裁判例が複数あります」

なるほど。学歴を低く偽っても懲戒解雇された判例があるとは驚きだ。では、学歴以外で偽ると問題になるものはあるのだろうか?

・問「また、身体的な数値や住所、年収など、何をどう偽ったら問題になりますか?」

「それらの項目が何かしらの契約に際して重要な事項となっていれば、偽られた側は後にその契約を取り消すことができます。また、住所地を偽って交通費を多く請求していれば詐欺罪が成立します」

契約内容により、身長や体重を偽るのも問題になるようだ。住所の場合は、たしかに交通費等が問題になることもあるだろう。いずれにしても、コメンテーターとしてテレビに出演し、4月からメインキャスターを務める予定だったショーンKが、失った信頼を取り戻すのは難しいかもしれない。

参照元:スポーツ報知
取材協力:アディーレ法律事務所 (東京弁護士会所属)
執筆:佐藤英典
イラスト:Rocketnews24