誕生よりすでに25年が経つ『攻殻機動隊』。2016年のいまでも実現が待たれる技術がいっぱいだ。そのひとつが、周りのどんな景色にも溶け込んでしまう「光学迷彩」だろう。
そんな光学迷彩っぽい技術が発表されて話題になっているぞ! 公開された動画を見てみると……ロボットが確かに周囲の色に溶け込んでいる。この憧れの技術を開発したのはUSAとPRCの研究チーム。PRC(ピープルズ・リパブリック・オブ・チャイナ)。つまり中国である。
・中国とアメリカのチームが光学迷彩っぽいものを開発
まずは話題の動画を見てみよう。動画には、右から赤、緑、青に塗り分けられた壁と1台のロボットが映し出されている。ロボットの上に乗っているのが今回の主役 “人造カメレオン” だ。
赤いウロコに覆われたカメレオン。それを乗せたロボットがゆっくりと右端から左へと動いていく。赤に塗られたゾーンから緑へと差し掛かったそのとき……! なんとカメレオンの色が緑に!! 同様に青ゾーンに入ったら青くなって周囲に溶け込んでしまったのだ。
何これスゴイ! 色のみだが……まるで、『攻殻機動隊』の「光学迷彩」みたいじゃないか!!
・目で見た色を体に反映
このカメレオンを開発したのは、中国・武漢大学の王国平さんらによる米中共同チームだ。これはカメレオンの生態を模倣する形で開発されたのだという。
人造カメレオンのウロコは実は透明だ。頭部についた目で周囲の色を感知し、その色をウロコのディスプレイに反映。そうやって周りの色に合わせて体の色を変えていたのである。
・いずれ戦場で使える?
とはいえ、「完全に消えてしまった」というレベルではなく、実用化はまだ先の話だろう。しかし、中国のメディアからは「兵士の迷彩服として利用できるのではないか」という期待の声も上がっている。
また、今のところ、この人造カメレオンが感知できる色は限られているようだ。ただ、論文の筆頭著者である王氏は、新型のロボットでは色の変化もさらに速く、対応できる色の範囲も増えると話しているのだとか。
今回の動画のほかにも、現在、さまざまな研究機関で「光学迷彩」の開発が進められている。SFの世界でしか見られなかった技術が現実の日となるのも遠いことではないかもしれない。
参照元:YouTube、Nature World News(英語)、煎蛋、央広網、中国新聞網(中国語)
執筆:沢井メグ