昔は「値下げ」と聞いても「ありがたい」以上の感慨は特に湧かなかったが、このご時世においては何か商品が安くなろうものなら、両の手を顔の前で擦り合わせながら平伏の姿勢を取ることもやぶさかではない。ましてそれがコンビニのおにぎりと来ればなおさらである。

何の話かと言えば、先日2026年4月15日に、「100円ローソン」こと「ローソンストア100」のおにぎり5種が、税込130円から108円に値下げされたのである。「100円ローソン」のおにぎり自体が未体験であった筆者は、絶好の機会とばかりに同店へ向かった。


公式サイトによると、5種の内訳は「鮭・ツナマヨ・昆布・明太子・牛焼肉マヨ」となっている。実のところ、これらの値下げは関東エリアで先んじて実施されており、このたび全国へ対象地域が拡大されたとのことである。

早くも売れ行きが好調なのか、筆者が訪れた店舗の棚には、午前11時台にもかかわらず鮭、ツナマヨ、昆布の3種が数個ずつほど残っているのみだった。ゆえに今回は、ひとまず上記3種を実食することにした。

実物と相対して目についたのが、おにぎりに海苔が巻かれておらず、かといって混ぜご飯のような形式でもない点である。こう言ってよければかなり簡素な造りで、それゆえ低価格が実現しているのであろうことが窺える。 

個人的におにぎりに海苔がないのはかなり寂しいが、しかし「絶対に海苔があった方がいい」とまでは思わない。

例えばどんなに慎重に口をつけようとも巧妙にこぼれ散る海苔を疎ましく感じた回数は数えきれないし、口の中で異次元めいた軌道を描いたのち想像を絶する位置に張り付く海苔についても同様である。コインの表裏のごとく幸福と不幸を司る存在がおにぎりの海苔である。

ともあれ、結局最も重要なのは総合的な満足度であろう。いかなるクオリティなのか確かめるべく、最初に鮭おにぎりの包装を剥いた。ちょうど商品シールで隠れていた部分に、少なすぎない量の鮭が埋め込まれていた。

そして食べてみると、焼き上がった鮭の香ばしさと塩味がしっかりと広がった。ご飯も違和感なく柔らかい。海苔がないことを除けば、鮭おにぎりに求めるものが不足なく備わっている。むしろ海苔がない分、具材とご飯の組み合わせをいっそう堪能できている気さえする。



次に手をのばした昆布おにぎりも、鮭おにぎりに抱いた好感を一切おとしめることがなかった。昆布の量も、豊かな風味も、こちらに文句をつける気を起こさせない。鮭おにぎりと並んで、安価であっても他のコンビニのおにぎりに負けず劣らずといった具合だ。

が、良い意味でその感想を裏切ってきたのが、最後に食べたツナマヨおにぎりである。口の中でツナマヨがコクをにじませながら、何とも魅惑的にとろけていったことに驚かされた。

1個しか買わなかったことを後悔するくらいには独特の中毒性がある。「安いからこのツナマヨおにぎりでいい」ではなく、「このツナマヨが食べたい」と、少なくとも筆者にはそう思わせるだけの出来栄えである。


というわけで結論を書くと、3種のおにぎりはいずれも、安さにかまけることのない「100円ローソン」の手腕を見事に反映していた。「最近おにぎりが高くて買えていない」という方は、是非とも同店の商品を検討してみてほしい。きっと筆者と同じく良い体験ができるはずである。

ついでに我がままを書かせてもらうと、「100円ローソン」に続いて他社のコンビニも「値下げ」に追随してくれれば幸いこの上ない。もっと筆者を平伏させてほしい。安いおにぎりよりさらに安い筆者の頭など、いくらでも下げる所存である。

参考リンク:ローソンストア100 公式サイト
執筆:西本大紀
Photo:RocketNews24.

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