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アメリカといえば肉である。ピザやハンバーガーやタコスも良いけれど、せっかくアメリカに来たからには肉を食べておきたいのである。デニーズの大味なステーキではなく、ちゃんとした「シェフのオススメした肉」が食いたいのである!

ということでやってきたのが、アメリカはネバダ州にある「カリエンテ」という小さな街。まるで西部劇に出てくるような寂れ具合が実にグッドなタウンである。そんなカリエンテの小さなレストランで、P.K.サンジュンお得意の「シェフのオススメ下さい」をやってみたら……予想外の料理が出てきたのでご報告しておきたい。

・雰囲気が完全にウエスタンなレストラン

お店の名前は『The Brandin’ Iron』。どうフリガナを振れば良いのか分からないほど、私の英語レベルは低かったりする。ちなみに、なぜこのレストランを選んだのかというと──この店しか開いていなかったからだ。ともあれ入店。カランカラン。shosu5

雰囲気は良し。実に良し。ガンマンたちが外で銃撃戦を繰り広げていても、なんら違和感のないウエスタンなムードが漂っている。ちなみにお客は私しかいない。syehunoosusume3

誰もいない中、ひとりポツンと席に座り、あたりをキョロキョロ見回していると、いかにもウエスタンなウエイトレスさんが「ハァ〜イ!」と言いながらメニューを抱えてやってきた。ほほの “そばかす” が可愛らしい、目がパッチリと開いた西部美人だ。私は「ハァ〜イ!」と返事をしながら、心の中で彼女を “パチクリ子” と命名しつつ……

私「ユア、レコメンド、プリーズ!」(あなたのオススメください!)

と、英語的に絶対に間違っているけど 気合いだけで押し通す自己流イングリッシュでパチクリ子に探りを入れてみた。伝えたい意味としては「貴女のオススメください」だ。Your Recommended Please

すると彼女は「ほぉ」といった顔になり、店の奥から黒板のようなモノを持ってきた。そして、その黒板を指さしながら「イッツオッケー?」と言っている。

一体なにがオッケーなんだ……と思いながら黒板に書かれた文字を見てみると、そこには確かに「BEEF(ビーフ)」と書いてあるではないか! 肉を食べたかった私が「肉をくれ」と言わずとも、彼女は肉をレコメンド(オススメ)してきたのだ!shehunoosusume4

その後も、彼女はベラベラと、黒板に書かれたメニューについて説明している。どうやら「本日のオススメメニュー」が書かれた黒板だったようだ。しかし、「まずサラダが付きまして〜」とか言っていると思うのだが、絶望的に聞き取れない。情けないことに「ビーフ」しか聞き取れないのだ。syehuosusumetenai

だが、私は “いかにも聞き取れています顔” をしながら、「アーハ、アーハ」とコクコク頷いていた。途中、意味もなく「ワオ!」とビックリしてみたりもしつつ、とりあえず念押しする意味で「ビィーフ?」と、あらためて聞いてみた。すると……

パチクリ子「イエス! ビーフ!(ええ、牛肉よ!)」
私「ミート? イッツミート?(肉? ホントに肉?)」
パチクリ子「イエース!(そうよ!)」
私「グレイト! アイラヴビーフ!(まじか! 俺、牛肉大好き!)」
パチクリ子「グレイト!(いいわね!)」
私「ビーフ! ビーフ! ビ〜ア! ドゥーユーハヴビア?(牛肉! 肉! 肉といえばビールだよね? ビールはあるかい?)」
パチクリ子「ノー! アイハヴコーク(ビールはないわ! コーラならあるけど)」

──とにかく、肉の入った料理であることは間違いなく、定食のようなモノらしい。また、ビールはないのでコーラも注文。その後、厨房コッソリと覗きこんでみると、彼女はサラダを盛り付けていた。Oh、キミが作るのか! 本当にシェフのオススメだ!!sarada

まずはサラダがやってきて、その後すぐに「シェフのオススメ」がテーブルに置かれた。まずは、皿の上に皿が置かれており、そこにはギッシリとトウモロコシが入っていた。なかなか豪快だ。そして、メインとなるエリアには、カレーライスのような、「ビーフシチューぶっかけごはん」のようなモノが鎮座ましましている。imodatta1

ウム! なるほど! 何というメニューだかは聞き取れなかったし読めなかったが、米ネバダ州カリエンテにある『The Brandin’ Iron』のシェフがオススメするメニューは「ビーフシチューぶっかけごはん」なんだな! ──と思いながら、スプーンで豪快にすくって、一口パクリと食べてみると……!?imodatta

……ゴ、ゴハンじゃない。これ、イモや……!

──そう、シチュー的なモノの下にある白いエリアは、白米ではなくイモだった。マッシュポテト的なイモだった。この料理の正体は、「ドカーンとマッシュポテトが山盛りになっている上に、ビーフシチュー的な何かがぶっかけられた料理」だったのだ。nikuandimo

ちなみに味は美味かったが、半分くらい食べたところで絶望的に飽きてきた。単調すぎる味に飽きてきたのだ。途中、コーンを入れたりして味に変化をつけながら食したのだが、最初からボリュームもハンパなかったこともあり、半分チョイでギブ・アップ。さすがに肉&イモ! 肉&イモ!! の猛攻には勝てなかった。

よくよく考えればハンバーガー屋で何かを注文しても「肉&ポテト(イモ)」になりがちだ。肉&イモ! 肉&イモ!! そこにコーラ等が加われば、肉&イモ&砂糖水! ネバダ州カリエンテで、アメリカ食文化の原点を見た気がした。USA! USA!!

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 The Brandin’ Iron
住所 190 Clover St Caliente, NV 89008

Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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