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今回は「カレー探求」と称して、カレーライスを紹介すべきか悩んだ。というのも、紹介するお店の定番は支那そばとカレーのセット。その両方が激ウマであるため、カレーにフォーカスするのが妥当なのかどうか迷ってしまったのである。しかしカレー探求としてご紹介しよう。

そのお店『インディアン』は、蓮沼に本店があり、蒲田と池上にも店舗が存在する。メニューにある最高級カレーライスは「武田流古式カレー」と称されて、地元で長らく愛されているのである。支那そばとカレー、この2つを実際に食べてみたところ、味だけでなく提供タイミングまでしっかりと考えられていたのだ。

・ディープな界隈

私(佐藤)が訪ねたのは、蒲田西口店である。店舗は、蒲田駅周辺でもかなりディープな印象を受ける界隈だ。昼からカラオケスナックが営業しており、日の高いうちから歌声が聞こえてくる。商店街の裏通りに位置し、昼間でも独特の雰囲気が感じられる。

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・武田流古式カレー

さて、店の表には「武田流古式カレーライス」と「支那そば」の看板が出ている。武田流とは何ぞや? と思って店前に行くと、武田流師範の武田金蔵氏の略歴が記されているではないか。武田氏は15歳で銀座資生堂パーラーに入店し、戦後横浜でレストランを開業。昭和30年(1955年)に蓮沼駅前にインディアを開業した後に昭和60年(1985年)に引退している。その味は現在まで受け継がれているようだ。

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・支那そばのウマさに唸る

壁を見ると、最高級カレーライスがメニューの先頭に書かれている。武田氏のカレーはお店の看板メニューのようだ。ところが、カレーだけでなくここは支那そばも猛烈に美味しい! 魚介をベースにした塩味で、スープは驚くほど澄み渡っている。私は魚介があまり好きではないのだが、ここの支那そばは魚介の持つ臭みが微塵も感じられない。

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・後からカレー

これなら支那そばを看板メニューにすれば良いのに、そう思ったのだが、この2つのメニューはセットでその美味しさの本領を発揮するようだ。実はセットを注文しても、出てくるのに時間差がある。まずは支那そば、これをある程度食べたところで、カレーが運ばれてくるのである。どうやら、同時に出すと麺が伸びて美味しさが半減するのを避けているようである。

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・深みが増す

支那そばをほとんど食べ終えたところで、カレー登場。口が塩味に慣れきったあとで食べるカレーは、味の深さが際立って感じられる。カレーそのものに深いコクがあり、一口また一口と食べるうちにその深みが増していくように感じられた。これが武田氏の考案したカレーなのか。今まで食べたどんなカレーよりも、味の奥行きが深く感じられた。

絶品の支那そばと最高級のカレー。味を極めた2つの料理を同時に食べられる、ぜい沢なお店である。

・今回紹介した店舗の情報

店名 インディアン 蒲田西口店
住所 東京都大田区西蒲田7-63-10
営業時間 11:00~21:00
定休日 月曜日

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24.

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