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就寝中に不意に尿意をもよおした場合、皆さんはどうやって対処するだろうか? 我慢できる範囲なら、そのままやり過ごして起きたときにトイレに行くだろう。耐え切れないようなら、床から抜け出してトイレに駆け込むかもしれない。

・寝たままおしっこは気持ちいい?

だが、もしマイナス50度の極寒の地だった場合、どうするだろうか? 極地冒険家の荻田泰永氏の場合はこうだ。寝袋から抜け出すと凍えるような寒さにさらされるので、フタつきのプラスチックボトルに寝たまま用を足すそうである。彼は「寝た状態のままおしっこするの超気持ちいいですよ」と語っている。

・マイナス50度、真冬の北極

北極冒険家の彼は、2012年と2014年に単独無補給徒歩で、北極点を目指して冒険を行っている。北極は南極と異なり陸地ではないため、海洋が氷で覆われているときでなければ、徒歩で挑むことはできない。つまり真冬にチャレンジすることになる。

・就寝中の尿意は切実

約50日間をかけて北極点を目指してひたすら歩き続けることになる。移動中はテントを張り、そのなかで身体を休めることになるのだが、就寝中の尿意はかなり切実な問題となるのだ。そこで彼は少しでも長く身体を休めつつ、なおかつ用を済ませるために、この方法をとるそうだ。実はこの寝たままおしっこは北極冒険家の間では当たり前なのだとか。

・湯たんぽ代わりになる!?

このやり方にはひとつ大きなメリットがある。それは、プラスチックボトルに用を足した後に、それが湯たんぽのような役割を果たしてくれることだ。さすがに湯たんぽほどアツアツではないそうだが、温かいのはたしかなのだとか。

・容器のサイズには要注意

ちなみに彼が使用しているボトルは、1リットルのものである。サイズの小さいものを使うと事故が起こるので、大きめのサイズのものを使用しているとのことだ。寝ながらおしっこするのはそんなに気持ちいいとは……。何となくは想像がついていたが、やはりか……。

取材協力、画像:北極冒険家 荻田泰永
執筆:佐藤英典

▼北極冒険中の荻田氏のテント内。中央にあるのが1リットルのプラスチックボトル
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