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“便秘は美容の大敵” というが、腸の状態が人間の健康を大きく左右しているのは事実だ。腸内の悪玉菌が様々な病気の原因になっているように、どんなバクテリアが繁殖しているか、便の質は非常に重要なのである。

そこで、消化器疾患を抱えた患者に、健康な細菌が繁殖した便を移植する方法で病気を治す治療法が注目されている。しかも自分の糞便を提供することで、年に150万円以上も稼げてしまうというのだ!!

・便の移植で消化器疾患を抱えた患者を治療

糞便移植のために健康な状態の便の提供を呼びかけているのは、米非営利団体「OpenBiome」だ。健康な便を移植することで、下痢や血性腸炎、急性腹症などを引き起こすクロストリジウム・ディフィシル感染症を患う患者の治療が可能になるのだ。

・提供された便は不要物が取り除かれた後に移植

クロストリジウム・ディフィシル感染症とは聞きなれない病名だが、アメリカでは毎年50万人が感染し、1万4000人が亡くなっている恐ろしい病気である。

なんだか便の移植と聞くと抵抗があるが、提供された糞便は、最初にろ過と均質化で不要物を除去。そして、結腸スコープ法や浣腸、鼻孔チューブや錠剤といった形で、患者の体内へ腸内バクテリアが移植される。

・年に150万円以上も稼げる可能性が!!

糞便サンプルを提供したドナーが受け取る報酬は、1回で40ドル(約4700円)とかなりの高額。しかも週に便を5回提供すれば、さらに50ドル(約6000円)分のボーナスまで貰えてしまうというから太っ腹だ。

継続して糞便を提供し続ければ、平均して週に250ドル(約3万円)、1年で1万3000ドル(約155万円)もの額になる。体から出てしまう、自分にとって不要な物を売ってお金を稼げたら、これぐらいオイシイ話はないのではないだろうか!?

・検査に合格したのは提供希望者の4パーセント

しかし、もちろんドナーの便は患者に提供できるほど健康な状態でなければならない。同団体によれば、提供希望者の4パーセントしか検査に合格しておらず、今のところ16人のドナーから糞便の提供を受けているそうだ。提供された便は全米186の病院に渡り、患者2000人の治療に利用されている。

自分が消化器疾患を患って他人の糞便を移植される立場になる前に、善玉コレストロールを増やす食品を食べたり、健康に十分気をつけたいものだ。

参照元:BUSTLETIMEThe Washington Post(英語)
執筆:Nekolas
Photo:Rocketnews24.